Bryant Park

　8月の最終週はマンハッタンの中心にあるBryant Parkのソロピアノ・シリーズで演奏した。今年で何回目になるのか？毎年、出演させてもらうので馴染みのお客さんもいて、曲ごとに拍手をしてくれるから、ミニコンサートの風情である。

　私も目の前の高層ビルを眺めながらの演奏で、まるでこの街全体にジャズを流しているような大きな気持ちとなる。

　水曜日には後方で聴いていた男性が、休憩中に近づいてきて、含蓄のある感想を述べた。ジャズ通なので驚いたのだが、風体はまるでホームレスなので、人は見かけじゃ分からない、と実感した。

　月から金までの演奏だったのだが、その週末は「前代未聞の暴風雨がニューヨークを襲う」はずだった。あまりにもマスコミが煽るので、スーパーマーケットには水や缶詰の買いだめ客の長い行列が出来た。

　実際には雨と強風が街を通り過ぎただけであった。米国のマスコミの過剰報道には毎回、人々が右往左往させられる。