土の音・土の詩 ~なつかしい音の出会いから~
『ピュイーッ、ピィーッ!』遥かなる太平洋に浮かべた小舟で波間を漂っていると、船底の板子一枚を通して海中から懐かしいような澄んだ哀愁を誘う、それでいて明るく爽やかな愛嬌たっぷりの音が響いてきました。
見るとあたり一面イルカの群れ。楽しげに飛び跳ねています。
この音は彼らの声、まさに=いのちの交流音=。
手が届くほどのところに寄って来て、生き物どうしの連帯感を懸命に伝えようとする意志さえ感じます。
…1980~81年、手作りの7mヨットを駆って単身南の島に向け、太平洋を帆走中のことでした。
もう一度あの声が聞けたら…
そんなある日、街中の騒音の中でふと懐かしい澄んだ旋律が私の心に同調しました。それはなんと『土笛』が発する【土の音】だったのです。
たった一握りの土が奏でる『土の詩』から、私たちの母なる大地に発する《いのちの声》が聞こえてくるようでした。
初めてオカリナに出会い、自分の息で音を出した瞬間の感動!
…何かを取り戻したような 内なる発見のような…同じ体験をされた方は多いでしょう。
県下に教室もなく奏者も知らない頃、私が関わる行事を通じて 初めてオカリナの文字が地元北国新聞に出たのは'89年7月、“自然の森のキャンプ”(国際自然医学会石川県支部)で「星とメロディーの夕べ」と称して、星の話とオカリナ演奏や子ども体験会を行った記事でした。
以来自宅の囲炉裏の炭火で自作のオカリナを焼きつつ独学で試行錯誤を繰り返し、新聞社で仲間を募る初の教室もオープンしました。
'95年1月17日午前2時頃、見上げた夜空に大きく輝いていたのはマイナス二等級の木星、《土の音普及会》~土ひとにぎりの革命~発足趣意文を推敲していた時です。
意識が夢の中に埋もれた未明、突然家全体がグラグラと振動…居間の灯油ランプが大きく揺れ、間もなく神戸の灘区にいた父が星になったことを知りました。
これを機に祖父が開いた薬局を かねての念願だった自然食(マクロビオティック)の店にリフォーム。
奥に一畳半の工房スペースを設け「つちのね(土の音)だより」も発行、小さな活動を展開していました。
奇しくもその時期に重なるように大きなご縁を戴きました。1971年収録の 火山 久オカリナ演奏の音源から、CDとして再製作された『土の詩』が世に出た時期の火山 久夫人との出会いです。
何もわからない私が“全国おかり~なの集い”のパンフレットに掲載するCD『土の詩』の広告デザインまで請けることになり、見かねた私をいつも手伝ってくれ 音楽理論から指揮法まで教えてくれたのは、元合唱団指揮者の渡辺 寛さんでした。
夫人の直感力の鋭さにはいつも驚かせられましたが、感ずるところがあったのか'97年のクリスマスに金沢の私を訪ねてくださいました。ひっそりと土笛を作っていることなど言えるわけがありません。
誰にもオカリナを習ったことがない私に、赤々と炭火が輝くいろり端で教えて下さった初めての曲は シューベルトのアベマリアです。その夜は加賀藩お抱えの名湯と伝わる深谷温泉で休んで頂きました。
これをご縁に多くを教わり示唆を受ける他、自家栽培の野菜や漬け物の差し入れまで…私にとって紛れもない恩師です。
前橋土笛の会・アンサンブルによるカザルスホール(お茶の水)での栄えある発表日にお招き頂いたのを機に、多くの火山先生のお弟子さんと出会いました。
一番の愛弟子と知った新井淳子さんのソロ演奏を 発表後のエントランスホールで目の当たりにした感動は今なお鮮明です。
いつかはこの幽玄な土の音の調べを北陸の人たちに聞いてもらい感動を共にしたい!!
実は念願のその日が目前となりました。
12月1日(水)金沢駅前の石川県立音楽堂…と言えば、かの岩城宏之率いるオーケストラ・アンサンブル金沢 発祥の拠点。
♪『オカリナとピアノ・デュオコンサート』(オカリナ 新井淳子 ピアノ 松下展大) が実現します!
音楽堂には、火山 久氏に関する展示と私の拙い作品などがショーケースに鎮座し、皆様のご来場をお待ちしております。 上村 彰(金沢市)
※天から地から 今なお、土笛の音で暖かく語りかけてくれている、新井淳子さんに心からの感謝を込めて!
オカリナジャーナル No.48(2010.11.20 オカリナ通信センター発行) 表紙記事から改掲。
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土の詩・風の調べ…新井淳子メモリアル オカリナコンサート♪(2015.1.29記)
2015年 4月25日(土)13:30~(開場12:30)
会 場 前橋市民文化会館大ホール
(群馬県前橋市:http://www15.wind.ne.jp/~mae-shibun/ )
入場整理券(無料) お問い合わせ先
電話・FAX 027-233-5036 (岡庭)まで
Mail:maebashi_ocarina@yahoo.co.jp
●石川県立音楽堂で 2010年12月 1日、初の本格派オカリナコンサートを行って下さった新井淳子さんの門下生によるメモリアルコンサートです♪
新井淳子さんは日本のオカリナ中興の祖として知られる火山 久(かやまひさし)氏の愛弟子で、火山音楽の心を伝える素晴らしい奏者として活躍され、火山 久師を継いで別世界のようで幻想的なオカリナアンサンブルを育てられました。
前橋土笛の会HP:http://music.geocities.jp/ocarina_maebashi/index.html
チラシ等ご希望の方は、以下までご連絡ください。
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♪土の詩から健体康心
土の音工房“Atelier Clay tone”& グリーンノート・玄米カフェ
土の音HP:http://www14.plala.or.jp/greennote/claytone%20index.htm