発酵の底力!ザワークラウト(Sauerkraut ) と 壊血病の解決
キャベツの漬物「ザワークラウト」を通じた食文化の風景が面白い(^-^)
「塩漬けキャベツ」と聞いて即連想するのは、大航海時代…聞えはいいが、奴隷船、海賊船、西欧列強国の世界征服願望渦巻く地球環境破壊(森林の砂漠化促進等々)の先鋒!
裏舞台では、多くの船乗りが、悪魔の病気と云われた壊血病に冒され命を落としていった。
船員が半分から3分の1以下になるほどの惨状の記録からは、
「…土気色になった歯茎もナイフで削り、腐った血をしぼり出す。俺は小便で口をゆすぎ、強くこする。ものを噛めないので、飲み込むしか ない。毎日この病気で仲間が次々と死んでゆく。…」
しかし、キャプテン・クックが指揮する船には、たまたま「ザワークラウト」がたっぷり積まれ、一人も壊血病による死者が出なかったことが知られる (ザワークラウトのお陰、ビタミンCの欠乏、等の理由は当時は分からず)。
「ザワークラウト」の原義は「すっぱいキャベツ」。酸味はビフィズス菌などによる乳酸発酵からで、酢漬けとは異なる。
オーストリアからスイス方面では発音が「サワークラウト」と濁らないという。
以下「月刊 綜合医学」(日本綜合医学会 発行 No.333)から、食養指導士で国際農業ジャーナリスト協会の 兼坂さくら氏が連載する「スイス通信」を一部抜粋させて頂く。
《秋になりますと、平地の圃場にキャベツ畑が広がります。朝露に濡れた大きいキャベツを収穫している様子は秋の風情の一つです。
畑の近くには、たいていサワークラウト工場があります。‥(略)‥
一年に二日だけ、保存食を自分の手で作りたい市民のために工場を解放してくれます。その工場は、キャベツ生産者で営まれており、農家が早朝に収穫したキャベツを生産者が運んできます。‥(略)‥
買ったキャベツと香辛料をすぐに自宅に持って帰るグループと工場内に設けられた漬物用のスペースでサワークラウトを漬けるグループに別れます。
大きな甕(かめ)にカットされたキャベツをぎゅうぎゅう押している白髪のマルコ氏。
「すごい力仕事です。でも、自分で漬けたのが一番おいしいですよ。どこかで買ってくると、砂糖や化学調味料がはいっていて、まったく味も歯ごたえも違います。毎年、ここで12kgのキャベツを手に入れて妻と 冬のあいだ美味しく食べます。毎日、地下室に行って様子を見るのが楽しみなのですよ」
‥(略)‥生キャベツより消化しやすくなります。発酵プロセスでは、善玉菌が大量に増殖しますし、火も加えず、加工もしない「生きている」善玉菌食品です。ビタミンをたっぷり含んだサワークラウトは、人間の体内に直に速やかに働きかけます。
人体の免疫や神経システムに良い影響を与え、タンパク質の消化を促(うなが)し、慢性疾患やウイルス・有害なバクテリアから人間を守ってくれるプロバイオティクス(Probiotics )食品です。》
等々、生のスムージーとして摂取することも含め《キャベツの効用については、一冊の本が書けるほどたくさんの情報があります》と記されている。
スイスの 兼坂さくら氏とはメールで交信させて頂きつつ、アルプホルンやヨーデルの響きを想像し、サワークラウト作りの風景も脳裏に描いていた。
そんな折り、昨年 ドイツ在住の音楽家ファミリーの主である友人から、知人が本を出版したと連絡があった。
“キャベツと健康”の内容にピンときて、図書館にリクエストしたら電子書籍なので取り寄せはムリだと(苦笑)。
〈参考体験談〉
●「キャベツで花粉症がウソのように治る!: 厄介な下痢や、いまいましい花粉症から 一刻も早く、簡単に逃れる方法」 ( 川崎 英一郎 著、Japan Verlag 2015/9/28 )
(Amazon 紹介欄より):慢性の下痢、重症の花粉症に長年悩まされ、果ては仕事中に突然意識を失うほど。そんな身体でいったいいつまで今の生活、仕事を続けられるのか…著者はあることを知り、ものは試し、善は急げとばかりに試してみたのです。するとどうでしょう。それまで20年以上も悩まされてきたあのひどい下痢が嘘のように…
…上記のように、キャベツの成分も効用も応用範囲も素晴らしいものです。
ご存じの通り、植物の“根”が腐るとその生命が失われるように、“根”に匹敵するヒトの“腸”の状態は、健康と病気を左右する根本的な要因です。
大航海時代の船乗りたちの腸内細菌叢(フローラ)のバランスは壊れ、有用なビフィズス菌の割合など、考えるまでもなく悲惨な状態であったに相違ありません。
さて、雑草という名前の植物が存在しないように、乳酸菌という名の菌はない (人体では ビフィズス菌類が主) ことから、一般的総称の乳酸菌という呼称を理解した上で考えます。
壊血病はビタミンCの欠乏に起因すると云われますが、乳酸菌もビタミンCを微量ながら生成し、野菜や果物を摂れない遊牧民が飲んでいる 乳酸発酵された馬乳酒にはビタミンCが100mlあたり8-11mg含まれています。
また、正常な母乳栄養児のフローラはビフィズス菌が極めて優勢で、善玉菌として腸内の環境を整え、花粉症などアレルギー症状の緩和に貢献していること、ビフィズス菌が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、その他ビタミンB群を生成することもわかっています(Wiki‥等)。
ところで、地球上のほとんどの生物はビタミンCをつくることができます。
一般の現代人がビタミンCをつくれなくなってきたことは、ダーウィン進化論で説明できない謎ですが、霊長目(ヒトやモルモット)でビタミンCを作る酵素の活性が失われてきたのは約6300万年前との説もあります。
突然変異でビタミンCが作れなくなっても、新たな中立進化説の立場で、食物から摂取可能な生息環境で進化したからとの説明もあります。。
しかし、地球上には、アメーバといった原生生物から新たに変化してきた生物までが共生しています。ヒトもまた、様々な段階や状態に変化が可能であることを証明しているような現象があります。
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以下 続きますが、長くなりましたので 改めて…