小笠原旅行 前編の続き
学部生だった当時、友人は地質学、私は地球内部物質科学の研究室に在籍しており、研究で岩石を扱うことが多くありました。そういう岩石いじりがいつの間にか趣味になり、しばしば岩石コレクションのために二人で旅行をしていました。小笠原旅行の目的の一つは世界でも珍しいボニナイト(boninite、無人岩)という岩石を拾ってくることでした。このボニナイトという名前は小笠原のことを昔は「無人島(ぶにんじま)」と呼んでいたことに由来します。
ここは砂浜にあった岸壁で、よく見ると丸い構造が見られます。これは枕状溶岩(pillow lava)というもので、海中に吹き出したマグマが急冷して固化し、それが俵のように積み重なった構造です。恐らくこの岸壁がボニナイトでできていると思われます。
海岸ではこんな構造も見られました。これはダイク(dike)といって、岩盤を割りながらマグマが噴出し、その後地中でマグマが冷えて固化した構造です。
こちらは岩石とは関係ありませんが、父島には「首無し二宮尊徳像」という有名なスポットがあります。現在では道路の反対側に移設されたようです。Google Mapのストリートビューでも確認できます。
村のメインストリート。
こちらは民家だと思います。
聖ジョージ教会。米国統治下の1945年10月に建てられたそうです。
小笠原に行くには「おがさわら丸」を利用するしかなく、住民にとっても大切なライフラインのようで、船が発着するたびに住民が総出で送迎してくれます。太鼓を叩いたり、多くの船が並走したりとお祭り騒ぎでした。
片道に丸一日以上必要なため、へたな外国に行くより時間がかかりますが、何度でも行きたいと思わせる島でした。世界遺産に登録されて、観光客がより増えることでしょう。