心身ともにしんどい時、私はなぜか余計にしんどいゲームをプレイしたくなります。ここ数日は、プレステおよび2で以下のようなアイレムのシューティングをつまみ食いしています。多くのアイレムシューはシビアなことで有名です。
・アール・タイプ(アール・タイプス)
・アール・タイプII(アール・タイプス)
・アール・タイプ デルタ
・アール・タイプ ファイナル
・イメージファイト(アーケードギアーズ)
・Xマルチプライ(アーケードギアーズ)
アイレムの歴史は90年代中頃に断絶しており、それを境にした新旧アイレムはそれぞれ別の組織です。旧アイレムがアーケードから撤退し、数年後に新アイレムがアイレムブランドを引き継いでいます。このことを引き合いに出して「今のアイレムは(ゲームの質的にも)昔と違う」という発言をする人もいますが、私にとってはこのことは大した問題ではなく、どちらもやはり面白いゲームを作るアイレムなのです。
その現在のアイレムですが、事業を大幅に縮小しているようです。これは震災によって「絶体絶命都市4」が発売中止になった影響なのかどうかはわかりません。一部の開発者は独立してグランゼーラという会社を設立したとのことですが、だからといって同じく発売中止になった「ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット2」が復活する可能性は低いでしょう。
そんな先行き不安なアイレムですが、私が最初にアイレムを認識したのが1982年の「ムーンパトロール」です。横スクロールのジャンプアクションシューティングで、MSXにも移植されました。でこぼこ道を走る車輪の動きが面白いです。PSG音源による軽快な音楽も印象的でした(当時としてもレトロな風味ですが)。
この後、アイレムは「ジッピーレース」や「スパルタンX」などがヒットし、ファミコンに移植されました(スパXの移植は任天堂)。また、アーケード版の「ロードランナー」も手堅く売れ、全4作品も販売されました。私も「ロードランナー」をちょいちょいプレイしましたが、当時既に家のPCで散々プレイしていたので、アーケード版に若干の違和感があってそれほどやり込みませんでした。
そして地味だったアイレムを一挙に上級職までクラスチェンジさせたのが1987年の「アール・タイプ」です。ゲーメストでの紹介記事を見て、異質なグラフィックや見るからにテクニカルな自機の装備に驚愕したのを覚えています。「アール・タイプ」の魅力は今更私が語るまでもありませんが、溜め撃ち、巨大戦艦、攻防一体の支援機などのアイデアがゲームデザインの中に効果的に活かされていました。敵の攻撃も奇想天外なものが多く、これは高性能なマザーボードがあって成し得たことでしょう。
ゲーセンに出回った直後から当然私はやり込みましたが、6面のコンテナにはさすがに手こずりました。それでも当時は若かったので、ちょっとコンティニューで練習しただけで1周までのパターンができました。2周目はさすがに難しいですが、それでも死ななければ基本的に1周目と大きく変わらなかったので、2周クリアは早い段階でできました。ところが最近プレイしてみると、1周目はなんとかクリアできますが、2周目の敵弾の多さに対応できなくなっているようです。歳をとっての衰えでしょうか…。
私にとっての「アール・タイプ」の面白さとは「自機の攻撃手段の多さ」です。敵の種類やシチュエーションによって、ショットを撃つ、波動砲を撃つ、ミサイルを撃つ、フォースを当てる、レーザーを撃つ、フォースからショットを撃つ、ビットを当てる、などの攻撃を使い分ける必要があります。だからと言って決まったやり方でしか攻略ができないわけではないところに奥の深さを感じます。また、基本的にはパターンゲームですが、ランダム性がちょいちょい挿まれているのも良いアクセントでした。
「アール・タイプ」と同じ製作者の「イメージファイト」の面白さも同様に「攻撃手段の多さ」でした。ただし、敵の攻撃がさらにひねったものになっていて、ゲーマーへの挑戦状のような難しさがありました。アーケード版の発売後間もなく1周クリアは達成していますが、2周クリアは未だに達成していません。プレステ版では画面モードが充実していないため、現在我が家ではまともにプレイできないのが残念です。
この後のアイレムはゲーメストなどの雑誌に攻略情報を載せることを規制していました。これによって「Xマルチプライ」や「アール・タイプII」などは、その難易度の高さもあり、その面白さを理解されないうちに多くのゲーマーがクリア前に諦めていきました。私は「アール・タイプII」ならなんとか1周クリアまではやり込みましたが、「Xマルチプライ」はコンティニューせずに1周クリアできません(この記事を書いた次の日にプレステ版で1周クリア)。
どちらのゲームも後半ではかなり厳しいパターン化を強いられます。しかも雑誌の攻略記事を読んだだけではわからないような、タイミングを体で憶える必要があったのです。これが家庭用のゲームならいくらでもコンティニューして練習すればいいのですが、ゲーセンではお金がどれだけあっても足りません。それにゲームを一人で占領するわけにもいきません。インターネットも無かった当時、攻略情報が雑誌に少しでもあれば、これら2作は歴史にもう少し名前を残していたに違いありません。
しばらくすると攻略情報の規制は解除されました。シューティングだけでなく多くのジャンルのゲームをリリースしてきましたが、1994年にアーケードから撤退。開発者たちはネオジオ周辺に移り、「メタルスラッグ」や「KOF'94」等を制作したと言われています。一方、アイレムの版権を受け継いで97年に設立された新アイレムでは、旧アイレムの末期に発生した密かなギャグ路線を受け継ぎつつも、ひと味違った作品を生み続けてきました。特に「絶対絶命都市」シリーズは災害に遭遇した人々が直面する困難というものに正面から取り組んだ作品でした(現実はあんなものじゃない、と言われるかもしれませんが…)。現在では入手も難しいかもしれませんが、今だからこそ考えるべき点もある作品だと思うので、もし機会がありましたらプレイされることをお勧め致します。
その他、我が家にあるアイレム関係の作品を以下に挙げます。そういえば「桜坂消防隊」は積んだままだな…。
・海底大戦争
・SIMPLE 1500シリーズ Vol.94 THE カメラマン ~激写ボーイ おまけ付き~
・-U- アンダーウォーターユニット
・絶体絶命都市
・桜坂消防隊
・ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット
・ブロックス倶楽部 with バンピートロット
・絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-
どれも派手さは無いけれど独自の味があるものばかりです。今後もアイレムの作るゲームを楽しみたいので、メーカーの皆さんにはぜひとも頑張って欲しいところです。
アーケード作品にてドットの描き込みが極限に達した「エアデュエル」。ただしゲームとしてはやや単調で、ショットも今一つ撃っている手応えが無いというちょっぴり残念な作品。
もう一つ、「クロスブレイズ」を紹介。こういう渋いヒロイックファンタジーものも作っていました。動画冒頭の姉ちゃんの絶叫が当時のゲーセンに響いていました。本来は剣で敵の攻撃を防御してから反撃するというゲーム(だから「クロスブレイズ」)なのですが、この動画では結構強引に進んでいるようです。ドットの塗りパターンが、この後のネオジオの「KOF」や「トップハンター」に受け継がれていることが見て取れます。
・アール・タイプ(アール・タイプス)
・アール・タイプII(アール・タイプス)
・アール・タイプ デルタ
・アール・タイプ ファイナル
・イメージファイト(アーケードギアーズ)
・Xマルチプライ(アーケードギアーズ)
アイレムの歴史は90年代中頃に断絶しており、それを境にした新旧アイレムはそれぞれ別の組織です。旧アイレムがアーケードから撤退し、数年後に新アイレムがアイレムブランドを引き継いでいます。このことを引き合いに出して「今のアイレムは(ゲームの質的にも)昔と違う」という発言をする人もいますが、私にとってはこのことは大した問題ではなく、どちらもやはり面白いゲームを作るアイレムなのです。
その現在のアイレムですが、事業を大幅に縮小しているようです。これは震災によって「絶体絶命都市4」が発売中止になった影響なのかどうかはわかりません。一部の開発者は独立してグランゼーラという会社を設立したとのことですが、だからといって同じく発売中止になった「ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット2」が復活する可能性は低いでしょう。
そんな先行き不安なアイレムですが、私が最初にアイレムを認識したのが1982年の「ムーンパトロール」です。横スクロールのジャンプアクションシューティングで、MSXにも移植されました。でこぼこ道を走る車輪の動きが面白いです。PSG音源による軽快な音楽も印象的でした(当時としてもレトロな風味ですが)。
この後、アイレムは「ジッピーレース」や「スパルタンX」などがヒットし、ファミコンに移植されました(スパXの移植は任天堂)。また、アーケード版の「ロードランナー」も手堅く売れ、全4作品も販売されました。私も「ロードランナー」をちょいちょいプレイしましたが、当時既に家のPCで散々プレイしていたので、アーケード版に若干の違和感があってそれほどやり込みませんでした。
そして地味だったアイレムを一挙に上級職までクラスチェンジさせたのが1987年の「アール・タイプ」です。ゲーメストでの紹介記事を見て、異質なグラフィックや見るからにテクニカルな自機の装備に驚愕したのを覚えています。「アール・タイプ」の魅力は今更私が語るまでもありませんが、溜め撃ち、巨大戦艦、攻防一体の支援機などのアイデアがゲームデザインの中に効果的に活かされていました。敵の攻撃も奇想天外なものが多く、これは高性能なマザーボードがあって成し得たことでしょう。
ゲーセンに出回った直後から当然私はやり込みましたが、6面のコンテナにはさすがに手こずりました。それでも当時は若かったので、ちょっとコンティニューで練習しただけで1周までのパターンができました。2周目はさすがに難しいですが、それでも死ななければ基本的に1周目と大きく変わらなかったので、2周クリアは早い段階でできました。ところが最近プレイしてみると、1周目はなんとかクリアできますが、2周目の敵弾の多さに対応できなくなっているようです。歳をとっての衰えでしょうか…。
私にとっての「アール・タイプ」の面白さとは「自機の攻撃手段の多さ」です。敵の種類やシチュエーションによって、ショットを撃つ、波動砲を撃つ、ミサイルを撃つ、フォースを当てる、レーザーを撃つ、フォースからショットを撃つ、ビットを当てる、などの攻撃を使い分ける必要があります。だからと言って決まったやり方でしか攻略ができないわけではないところに奥の深さを感じます。また、基本的にはパターンゲームですが、ランダム性がちょいちょい挿まれているのも良いアクセントでした。
「アール・タイプ」と同じ製作者の「イメージファイト」の面白さも同様に「攻撃手段の多さ」でした。ただし、敵の攻撃がさらにひねったものになっていて、ゲーマーへの挑戦状のような難しさがありました。アーケード版の発売後間もなく1周クリアは達成していますが、2周クリアは未だに達成していません。プレステ版では画面モードが充実していないため、現在我が家ではまともにプレイできないのが残念です。
この後のアイレムはゲーメストなどの雑誌に攻略情報を載せることを規制していました。これによって「Xマルチプライ」や「アール・タイプII」などは、その難易度の高さもあり、その面白さを理解されないうちに多くのゲーマーがクリア前に諦めていきました。私は「アール・タイプII」ならなんとか1周クリアまではやり込みましたが、「Xマルチプライ」はコンティニューせずに1周クリアできません(この記事を書いた次の日にプレステ版で1周クリア)。
どちらのゲームも後半ではかなり厳しいパターン化を強いられます。しかも雑誌の攻略記事を読んだだけではわからないような、タイミングを体で憶える必要があったのです。これが家庭用のゲームならいくらでもコンティニューして練習すればいいのですが、ゲーセンではお金がどれだけあっても足りません。それにゲームを一人で占領するわけにもいきません。インターネットも無かった当時、攻略情報が雑誌に少しでもあれば、これら2作は歴史にもう少し名前を残していたに違いありません。
しばらくすると攻略情報の規制は解除されました。シューティングだけでなく多くのジャンルのゲームをリリースしてきましたが、1994年にアーケードから撤退。開発者たちはネオジオ周辺に移り、「メタルスラッグ」や「KOF'94」等を制作したと言われています。一方、アイレムの版権を受け継いで97年に設立された新アイレムでは、旧アイレムの末期に発生した密かなギャグ路線を受け継ぎつつも、ひと味違った作品を生み続けてきました。特に「絶対絶命都市」シリーズは災害に遭遇した人々が直面する困難というものに正面から取り組んだ作品でした(現実はあんなものじゃない、と言われるかもしれませんが…)。現在では入手も難しいかもしれませんが、今だからこそ考えるべき点もある作品だと思うので、もし機会がありましたらプレイされることをお勧め致します。
その他、我が家にあるアイレム関係の作品を以下に挙げます。そういえば「桜坂消防隊」は積んだままだな…。
・海底大戦争
・SIMPLE 1500シリーズ Vol.94 THE カメラマン ~激写ボーイ おまけ付き~
・-U- アンダーウォーターユニット
・絶体絶命都市
・桜坂消防隊
・ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット
・ブロックス倶楽部 with バンピートロット
・絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-
どれも派手さは無いけれど独自の味があるものばかりです。今後もアイレムの作るゲームを楽しみたいので、メーカーの皆さんにはぜひとも頑張って欲しいところです。
アーケード作品にてドットの描き込みが極限に達した「エアデュエル」。ただしゲームとしてはやや単調で、ショットも今一つ撃っている手応えが無いというちょっぴり残念な作品。
もう一つ、「クロスブレイズ」を紹介。こういう渋いヒロイックファンタジーものも作っていました。動画冒頭の姉ちゃんの絶叫が当時のゲーセンに響いていました。本来は剣で敵の攻撃を防御してから反撃するというゲーム(だから「クロスブレイズ」)なのですが、この動画では結構強引に進んでいるようです。ドットの塗りパターンが、この後のネオジオの「KOF」や「トップハンター」に受け継がれていることが見て取れます。
10ヤードファイトだったこともあって
初期アイレム作品には好印象を持っていたのですが、
横スクロールのゲームが苦手ゆえRタイプ時代はちと遠ざかっておりました。
それにしても
スクウェアやエニックス(え)以外でもゲーム誌に規制をかけてる会社があったとは・・・。
貼られてる動画も続きまで全部見せていただきましたけど、
エアデュエルの凄く綺麗だけど面白そうに見えないってのは
何だかもったいないなと思いました。
あと長き沈黙を破って現れた
新生アイレムは自分も結構好きだったんですよね~。
ちょっと斬新なオリジナル作品をPS2で出してる頃は
他のメーカーにも見習って欲しいと心底思ってました。
バンピートロットはPSP版がいまひとつで2に期待してたんだけどなぁ・・・
開発陣が立ち上げた会社で出して欲しい~
私は「10ヤードファイト」はプレイしていません。なんせアメフトのルールがさっぱりわからなかったもので。「アイレムアーケードクラシックス」を探してみようかしら。
情報規制についてはなぜアイレムが実施したのかはわかりません。「イメージファイト」あたりで散々攻略されたからでしょうか。規制のおかげで攻略が広まるまでは時間がかかったでしょうけれど、そのせいで盛り上がりに欠けたため損失の方が大きかったような気がします。結局、売り上げの記録にも残らず、プレイヤーがやり込んだという記憶も希薄になってしまったようで、実にもったいなかったです。
「エアデュエル」のスカスカな感じは何なのでしょうね。システムも真新しいものは無いし、かといって見た目ほど簡単でもないので、対象層がほとんどない作品になってしまったようです(ドット絵マニアくらいでしょうか)。
「バンピートロット」も「絶体絶命都市」も本当に残念ですよね。これらの作品で「選択肢のアイレム」という妙な評価も確立しましたが…。新会社でなんとか版権を手に入れて続編を作って欲しいです。
自分は、アイレムのゲームは初期の
物(ニャンコロ、ムーンパトロール
等)は比較的ハマり、中期の物(ア
ールタイプ、イメージファイト等)
は、難し過ぎて余り馴染めません
でした。
話は変わりますが、Xマルチプライ
に関する情報規制に関してですが・・・
自分は著作権に関する問題が引っ掛
かっていたのかなと思ったりします。
このゲームは映画「ミクロの決死圏」
と設定が被っており、映画の制作会
社や原作者のクレームを恐れて規制
を引いたのではないかと。
でもそうなるとアールタイプU+2161や
他のゲームは何故規制したのかと
言う事になりますよね・・・・
最後の方で単語の打ちミスが
あった
様なので訂正させて下さい。
アールタイプU+2161○
Xマルチプライが「ミクロの決死圏」の設定に確かに似ていますね。情報規制のきっかけとなった可能性も考えられると思います。あの映画は幼少の頃にテレビで放映していたのを観ました。ミクロ化した潜行艇が耳内部の蝸牛を通過中、医者がうっかり器具を床に落とし、その音が蝸牛内で轟音となっていたシーンが恐ろしかった記憶があります。
文字化けの件ですが、ブログサービスの方でコメント欄にいくつか制限があるようです。ご不便をおかけして申し訳ございませんでした。