脳の中で情報を伝える物質が分泌されず、体が動かなくなる難病、「パーキンソン病」の治療に向けて、和歌山県立医科大学の研究グループは症状の1つである★買い物依存や過食などの衝動性の高い行動の背景に大脳の特定の部分が関係していることがわかったと発表しました。
これは6日、和歌山県立医科大学の研究チームが会見で明らかにしました。
「パーキンソン病」は、神経の★伝達物質を作り出す脳の神経細胞が失われることで手足の震えのほか、睡眠障害やうつなどさまざまな症状が現れる難病で、確立された治療法はなく、世界に600万人以上の患者がいるとされています。
和歌山県立医科大学の研究チームでは、パーキンソン病のうち★買い物依存や★過食などみずからの衝動を抑えられなくなる「衝動制御障害」と呼ばれる症状について、症状の強い患者と弱い患者それに、正常な状態の人の3つのグループにわけて、頭部をMRIで撮影し脳のデータを詳細に分析しました。
その結果、症状が強い患者は弱い患者に比べて大脳にある物事を実行に移す判断をつかさどる部分と、目で見たものを認識して処理する部分の★2か所が強いつながりを持って同時に活動している事がわかったということです。
会見を行った和歌山県立医科大学の高真守助教は「今回の発見はパーキンソン病の新たな治療法を探る一助になると期待される」と話していました。