民法第1条第2項「信義則に反する」民事訴訟法第2条

「信義則に反する」とは、相手の信頼を裏切るような行為です。例えば1,000万円なら土地を売却すると言いながら、実際に買い手が1,000万円用意したにも関わらず土地を売却しない行為は、信義則に反する行動です。損害賠償額は？？

「信義則に反する」とは？
「信義則に反する」とは、法律に明文の規定がない場合でも、社会通念上、誠実に取引を行うべきだという原則を無視した行為のことを指します。つまり、相手方を信頼して取引しているのに、その信頼を裏切るような不誠実な行為と言えるでしょう。

具体的な例
契約の履行を拒む: 契約内容に基づいた義務を果たさないこと。
虚偽の説明をする: 相手方を欺くような虚偽の説明をすること。
権利の濫用: 法律上の権利を、社会通念上認められないような方法で行使すること。
1,000万円の土地売買のケース
ご質問のケースでは、売主が買い手に1,000万円で土地を売却すると約束しておきながら、実際に買い手が代金を用意したにも関わらず売却を拒んだ行為は、明らかに信義則に反します。

損害賠償額

この場合、買い手は売主に対して、以下の損害賠償を請求することができます。

差額損害: 他の土地を購入した場合に、余分に支払った金額。
逸失利益: その土地を利用して得られたであろう利益。
精神的苦痛に対する慰謝料: 信頼を裏切られたことによる精神的な苦痛に対する慰謝料。
損害賠償額の算定

損害賠償額は、個々のケースによって異なります。裁判所は、以下の点を考慮して具体的な金額を決定します。

土地の価格変動: 契約当時と比べて、土地の価格が上昇していたかどうか。
買い手の事情: 他の土地を購入するのにどれくらいの時間がかかったか、その間に得られたであろう利益はどの程度か。
売主の悪意: 売主が故意に契約を履行しなかったか、過失の程度はどうか。
注意すべき点

証拠の重要性: 契約書、メール、証言など、損害が発生したことや、売主の責任があることを証明できる証拠をしっかりと集める必要があります。
まとめ
「信義則に反する」行為は、法律に違反していなくても、相手との信頼関係を破壊し、社会的な非難を受ける可能性があります。このような事態を避けるためには、契約をしっかりと履行し、相手を尊重することが大切です。

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信義則 判例
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【信義則（しんぎそく）】とは、社会の一員として、互いに相手の信頼を裏切らないように誠意をもって行動しなければならないという原則です。信義誠実の原則とも呼ばれます。
信義則は、■民法第1条第2項に定められており、民法の基本原則の一つです。また、■民事訴訟法第2条にも信義則について規定されています。
信義則は、法と道徳との調和を図るための重要な観念とされており、契約の趣旨を解釈する基準にもなっています。

民法第1条第2項は「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」と規定しており、信義誠実の原則（信義則）とも呼ばれます。
民法の基本原則には、信義則のほかにも、公共の福祉■（第1条第1項）や権利濫用の禁止■（第1条第3項）などがあります。
信義則は、私人間の権利義務に関して、互いに相手方の信頼を裏切らないよう誠意をもって行動するよう求める原則です。行動原理としてだけではなく、契約の趣旨を解釈する基準ともなります。