三田和美君は、真面目な人で、
悪口を言う人は聞いたことがない。
高校時代、運動会で全校が、紅組、白組に分かれて戦った。
三田君は、紅組応援団長で、
本気かどうかわからないが、
「負けたらモヒカン刈りになる」と宣言した。
ところが、結果は、白組の勝ち。
イタズラ坊主が、ほんとうにモヒカン刈りにしてしまった。
大学は、東大に入りたかったらしいが、
結局別の大学に入る。
卒業後は、僧侶となり、
早逝したが、短歌集を残した。
今日は、5首紹介する。
……
この胸に 宿り給える 御仏の お慈悲喜ぶ 吾は幸福。
全て吾が かつて造りし 業なりと 念仏しつつ 幸福にゐる。
ご信心 得たるも得ぬも なかりけり 六字の中に 住まふうれしさ。
ナモアミダ 摂取の光に 照らされて 罪とがまでも よろこびとなる。
父母の 心痛めし 病さへ よろこびの因 御恩のひかり。