三田和美君は、ほんとうに真面目な人で、
210人いた高校のクラスメートの中で3本の指に入るくらいだったと思う。
宗教家の道を歩み、期待されたけれども、
早逝した。
直前まで彼と対話していた友人から、
三田君の短歌集の公開の依頼があった。
今日は、第4回、
5首挙げてみる。
……
我が心 うそのかたまり 御仏の 慈悲のぬくもり しみわたりゆく。
父母の 慈愛に育て られし子の 御仏の慈悲 自ら知る。
青く深き 秋空の中 輝ける 太陽に今 手を合わせゐる。
仏法も 愛欲名利の 手立てにと なさんとするが 我が心なり。
いたずらに 暮らしをれども 知ろしめす ただそのままがお目当ての機。