いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

ローマ教皇と金子みすゞ

2019-06-07 21:39:31 | 


科学者の佐治晴夫先生が、
日本の宇宙開発につき、
ローマ教皇にご進講したことがある。
詳しい内容も話したが、
「あかつき」の火星探査成功の話とともに、
「あかつき」が飛んでいくとき、
ある詩を思い出した。
宇宙の万物を説明するのに
金子みすゞの詩が有効なのだという。

ご進講のときの詩は手元にないが、
金子みすゞの詩は、
弱いものに同情的で、
発想の転換に満ち、
独特の世界をかたちづくっている。

1つだけ、詩を紹介する。
……

大漁

朝焼け小焼けだ
大漁だ
大羽いわしの
大漁だ。
浜は祭りのようだけど
海の中では
何百の
いわしのとむらい
するだろう






























「現代戦争論」「戦争指導論」~高木惣吉

2019-06-07 21:26:00 | 学問


第2次大戦後、自衛隊の前身の軍が創設された。
そのひとつ海上自衛隊幹部候補生学校の学校長は、
学生に、実戦経験のある講師を聴かせるべく、経験者に依頼した。
が、
多くのものは、自己の責任回避をするばかりか、
戦後は一切勉強をしない軍人の化石であった。
しかし、高木惣吉は別もので、
終戦に向けた研究は優れたものだったし、
戦史に詳しく、戦後の有益な文献を消化し、
「タイムズ」なども購読しており、参考になる講義をした。
「現代戦争論」
「戦争指導論」
など。
他に、山梨勝之進の講義も好評であった。

自衛隊をどう評価するかは別にしても、
海軍の経験者たちが、このように、
戦後の学生に
有益な知識の伝達を行った例もある。

当然、元大将井上成美も適任者だったが、
病身のため、講義は実現しなかった。