皆様ごぶさたしております。セミナー司会者の堀田峰雄です。いやぁ~、時折顔出しますとかなんとかいってから、もうすでに3週間たってしまいまして、気がつけばもうセミナーも間近に迫ってしまっていました。筆不精というのはこのネット全盛時代にはホント向いてませんね。さて気を取り直していきます。
今回のセミナーのテーマは、アーユルヴェーダの八部門のひとつである「強精学(ヴァージカラーナ・タントラ)ですが、おそらくその他に少なくとも2つの部門についての教えも含まれてくると思います。
それらは「小児科学(バーラーンガ又はカウマーラ・ブリトヤ)」と「強壮学(ラサーヤナ)」です。
強精学と強壮学の違いは?その答えを簡単にいうなら、前者は「質のよい子孫をつくり、性行為の喜びを促進する」、後者は「アンチエンジング」となるでしょう。
「小児科学」は少し「強精学」と重複するところがありますが、子供を産みたい夫婦の健康管理から、妊娠・出産・育児における両親、子供(16歳まで)双方のケアということでしょうか。
この「小児科学」の権威、Dr. V.B.アタヴァレーの「アーユルヴェーダ育児学-アーユルヴェーダの基礎と小児科学」~春秋社刊(これは名著です!ぜひお手元に。)にこう書かれています。
「そもそも小児科医の役割は妊娠以前に始まっています。小児科医は両親双方の生殖器やその病気について知っていなければいけません。そうでないと、出産にそなえるためや、生まれてきた子供のために好ましい食事、行動、薬草類について助言することが出来ません。(略)小児期というのは、子供が健康で、幸福な自立した社会人に成長するための成長期間です。ですから、小児科医は健全な生活、幸福な生活、有意義な生活とはどういうものかを熟知していなければなりません。」
この本には、①「健全な人」②「健全な精神」③「幸福・有意義な生活」の定義が書かれていますので、
少し抜粋していきたいと思います。(おそらく①だけで今回は終わってしまいそうですが・・・・)
●健全な人とは?●
健康な肉体と同時に健全な精神をもち、身体組織・器官も最良の状態で機能している人。
適度の性欲を持っているので、性行為を楽しむ事もできるが、性衝動を自制する事も可能。
食欲も消化機能も快調で、規則正しい便通がある。
暑くても寒くても快適に過ごし、熟睡する事が出来る。
活力に満ち、日常の雑事を熱心に手際よくやりとげる。
めったに病気にならない。
あらゆる娯楽を楽しむ事が出来るが、それに溺れる事はない。
年齢より若く見え、100歳の天寿を全うする。
これを見ると、ストレスの多い現代人には実現するのがムズカシイ・・・・まるでスーパーマンじゃないの?といった印象ですね。
でも、アーユルヴェーダの目的は「病気の予防や治療だけでなく、健康の維持、増進のための道案内である」と言われていますので、これを「難しいと考える」ことが私たちの「症状」といえるでしょう。
というのも以前に申し上げたように、「健全・幸福・有意義な生活」を送ることが「健康」であるわけですが、これらは本来すべて私達人類のもっているものだったのですから。
私たちが失ってしまった本来の自分自身を取り戻すために、「知るべき事」-いや、「知っていた事」-病の起源となった「情動の乱れ」によって見えなくなってしまっている私たち自身の智慧を、もう一度学んでいきましょう。
次回(すぐに書きますね)は②健全な精神、③幸福・有意義な生活について解説しつつ、私たち自身の「抑圧」という問題を紐解いていきたいと思います。