手足口病大流行の兆し 予防策は
毎年夏場に流行する「手足口病」の患者が、東京都内で小さな子どもを中心に急激に増え、この時期としては、過去10年で最も多くなっています。
どんな注意が必要でしょう。
手足口病は、その名のとおり、手や足、口の中などに発疹ができ、主に小さな子どもがかかるウイルス性の感染症です。
通常は1週間ほどで症状は治まりますが、まれに髄膜炎や脳炎を起こして重症化することがあります。
東京都によりますと、今月に入ってから患者が急激に増え、今月14日までの1週間に報告された患者数は、1つの医療機関あたり10.97人で、この時期としては、過去10年で最も多くなっています。
大流行となった平成23年を超えるペースです。
患者のほとんどは、6歳以下の子どもで、このうち3分の2は2歳以下だということです。
東京・中野区にある小児科医院では、今月に入ってから手足口病の子どもが増え、この1週間は、毎日5人ほどが手足口病と診断されています。このうち、3歳の男の子は、先週、39度の高熱が出て、翌日から手や足、おしりなどに水ほうのある発疹が出始めました。
母親は「通っている幼稚園ではやり始めていたので、赤い発疹が出てきたのを見て手足口病だと思った」と話しています。
男の子は1週間経って発疹がかさぶたになり、症状は治まりました。
しかし、診断した三輪小児科医院の三輪操子医師は「軽症の場合は自然に遊びながら治るが、中には、体調を崩して入院しなくては治らないという状況になることもある」と注意を呼びかけています。
脱水に注意
手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが主な原因ですが、抗ウイルス薬はありません。
特別な治療を必要としないことがほとんどだということですが、三輪医師は「脱水」に注意が必要だと言います。
口の中に発疹ができるため、痛みで食事や水分が取れなくなる子どもがいるためです。
この暑さの中で、脱水状態になって症状が悪化する子どももいるので、食事がとりやすいように、薄味にしたり、柔らかくしたりするなどの工夫をし、水分補給を心がけることが大切です。
感染を広げないために
手足口病は、患者のせきやくしゃみ、つばなどの飛まつやウイルスがついた手を介して広がります。
発疹などの症状が治まったあとも、3週間から1か月ほどウイルスは便の中に含まれ、体から出続けます。
このことが感染をさらに拡大させる原因にもなっています。
このため、手洗いを徹底し、おむつの取り扱いに十分な注意が必要です。
幼稚園や保育園など子どもたちが集団生活する場所で広がりやすく、おもちゃなどを通じて感染することがあります。
東京・中野区の保育施設では、感染を予防するため、手洗いやうがいを徹底するだけではなく、子どもたちが遊ぶおもちゃを消毒するなどの対策をとっています。
今月に入り2人の子どもが発症し、医師の許可が出るまで、休んでもらっていますが、予防するためのワクチンもないため、対策には限界があると考えています。
施設長の小林葉子さんは「早めに保護者に知っていただいて、まずは保護者のところで対応していただく。園としては、手洗いやうがいなど、できることをしっかりやっていくという対応策しかないです」と話しています。
手足口病は、例年、患者数がピークとなるのは、夏休みシーズンの7月下旬から8月上旬です。
東京都感染症情報センターの杉下由行課長は「過去10年、20年で、これほど増えたことはありませんので、今回、非常に大きな流行だと考えています。濃厚な接触によって、感染が広がりやすくなるため、家族内で感染を防ぐことも重要になります。タオルの共用を避け、こまめに手を洗うなど予防に努めてほしい」と注意を呼びかけています。
毎年夏場に流行する「手足口病」の患者が、東京都内で小さな子どもを中心に急激に増え、この時期としては、過去10年で最も多くなっています。
どんな注意が必要でしょう。
手足口病は、その名のとおり、手や足、口の中などに発疹ができ、主に小さな子どもがかかるウイルス性の感染症です。
通常は1週間ほどで症状は治まりますが、まれに髄膜炎や脳炎を起こして重症化することがあります。
東京都によりますと、今月に入ってから患者が急激に増え、今月14日までの1週間に報告された患者数は、1つの医療機関あたり10.97人で、この時期としては、過去10年で最も多くなっています。
大流行となった平成23年を超えるペースです。
患者のほとんどは、6歳以下の子どもで、このうち3分の2は2歳以下だということです。
東京・中野区にある小児科医院では、今月に入ってから手足口病の子どもが増え、この1週間は、毎日5人ほどが手足口病と診断されています。このうち、3歳の男の子は、先週、39度の高熱が出て、翌日から手や足、おしりなどに水ほうのある発疹が出始めました。
母親は「通っている幼稚園ではやり始めていたので、赤い発疹が出てきたのを見て手足口病だと思った」と話しています。
男の子は1週間経って発疹がかさぶたになり、症状は治まりました。
しかし、診断した三輪小児科医院の三輪操子医師は「軽症の場合は自然に遊びながら治るが、中には、体調を崩して入院しなくては治らないという状況になることもある」と注意を呼びかけています。
脱水に注意
手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが主な原因ですが、抗ウイルス薬はありません。
特別な治療を必要としないことがほとんどだということですが、三輪医師は「脱水」に注意が必要だと言います。
口の中に発疹ができるため、痛みで食事や水分が取れなくなる子どもがいるためです。
この暑さの中で、脱水状態になって症状が悪化する子どももいるので、食事がとりやすいように、薄味にしたり、柔らかくしたりするなどの工夫をし、水分補給を心がけることが大切です。
感染を広げないために
手足口病は、患者のせきやくしゃみ、つばなどの飛まつやウイルスがついた手を介して広がります。
発疹などの症状が治まったあとも、3週間から1か月ほどウイルスは便の中に含まれ、体から出続けます。
このことが感染をさらに拡大させる原因にもなっています。
このため、手洗いを徹底し、おむつの取り扱いに十分な注意が必要です。
幼稚園や保育園など子どもたちが集団生活する場所で広がりやすく、おもちゃなどを通じて感染することがあります。
東京・中野区の保育施設では、感染を予防するため、手洗いやうがいを徹底するだけではなく、子どもたちが遊ぶおもちゃを消毒するなどの対策をとっています。
今月に入り2人の子どもが発症し、医師の許可が出るまで、休んでもらっていますが、予防するためのワクチンもないため、対策には限界があると考えています。
施設長の小林葉子さんは「早めに保護者に知っていただいて、まずは保護者のところで対応していただく。園としては、手洗いやうがいなど、できることをしっかりやっていくという対応策しかないです」と話しています。
手足口病は、例年、患者数がピークとなるのは、夏休みシーズンの7月下旬から8月上旬です。
東京都感染症情報センターの杉下由行課長は「過去10年、20年で、これほど増えたことはありませんので、今回、非常に大きな流行だと考えています。濃厚な接触によって、感染が広がりやすくなるため、家族内で感染を防ぐことも重要になります。タオルの共用を避け、こまめに手を洗うなど予防に努めてほしい」と注意を呼びかけています。