誘惑

ボクが、携帯をいじくりながら乗換駅で丁度各停に乗った１８時過ぎ・・・メールの着信音が車内に響き渡った・・・と言うのは少し大袈裟な表現だが、ちょうどi-modeの接続を切った時だった。電車の車内は会社帰りのサラリーマンやОＬや学生でそこそこ混みあっていて、小さな音にも敏感に反応する人がチラリとボクを見る視線を感じた。 ボクはそんな視線は気にもせず、びっしりと人で埋まっている席をざっと眺め、次の駅かその次か・・・誰が席を立って降りるのかをぼんやりと予想しながら、首から下げたストラップの先の携帯を左手で握りしめ、右手で吊り革に捕まっていた。そんな時だった。 . . . 本文を読む