現在でも檀家制度は残っていますが
これはその寺院に墓を持つためだけに繋がっている、つまり
未だに日本に根付いている定期的な墓参りや一家の葬儀
先祖の年忌法要でしか寺と檀家が接点を持たない
いわゆる“葬式仏教”のケースが多くなっています。
しかし、檀家制度が作りだしたこれらの儀礼や年中行事は
現在でも日本人の宗教観や生活に綿密に関係していることも事実です。
一方では、経済成長に伴って地方から都市部への人口移動などで
地方の人口が減少することにより檀家が減少し
檀家制度に頼る地方寺院の経営が難しいものとなっているとも言われています。
また、葬儀業者がその一切を手配してしまうという例も多く
ますます寺院との関係が希薄化している側面も見られます。
つまり、これらは現在の日本における仏教のあり方や寺院に求めるものは
その教義ではなく、“葬祭の司祭者”となってしまっていることを示しているのでしょう。