保護猫活動する隠居爺の野菜作りとスキーの日記そして病気の記録

冬場の60日以上はスキー、夏場はそのための体力作り&自給用野菜作り、そして保護猫活動と病気の記録も綴ります。

お寺との付き合いはヤヤコシイ…③お布施

2012年03月10日 | 葬祭と相続の記録&自らの終活

 我家(義母家)の菩提寺は曹洞宗のS寺で
この近郊では檀家の数がかなり多く、格式も高い寺なのだそうです。

義母が元気なうちにお寺さんとのお付き合いに私も首を突っ込んで教えてもらっていたら
何も悩ましいことはなく自然に覚えることができたはずですが
あまりに突然に逝ってしまったため、断片的な話は聞いてはいても、ドライブの助手席に乗っていたようなもので
いざ自分でハンドルを握ったところで、右へ行けばよいのか左へ行けばよいのか…。

この寺の住職は「方丈様」と呼ばれ、「態度が傲慢だ」と町内会などを含め
世間の評判は決して良いものではなく
葬儀会社のデータにもいくつかの“注意書き”があったのを盗み見ています。

かつては、国産常用車が置いてる奥に、ポルシェがシャッター付きの車庫に
人目を避けるように鎮座していたのを見たことがありますし
跡取り息子の若い住職はフェラーリを持っていると噂されてもいます。

もっとも、多くの善光寺の住職達はベンツやBMWを平気で乗り回しているのですから
檀家からの苦情さえ気にしなければ、どうと言うことはないのかもしれません。

方丈様に葬儀に来ていただくには、戒名を含むと3ケタ(つまり100万円以上)のお布施が相場で
かつて、謝礼袋の厚さがそれに満たないことが分かると、お寺参り(*)で改めて持って来いと
弔問客の面前で突き返された方もいらしたという逸話もあるお寺なのです。

今回の私のように「何も知らないので…」と、お布施の額を面と向かって尋ねると
「常識の範囲でいくらということはありません」の後に「要は気持ちの問題です」と付け加えられるのです。

常識とか気持ちとか言われたって…。

古い軽自動車2台しか持てない家から
ポルシェとフェラーリを持っているお寺に“施す”金額など想像も付きませんし
このセリフが私には“その筋”の方がよく使う「誠意を示せ」と同じに聞こえてしまうのですから
一体いくらを包めば良いのやら…。

(お寺を“その筋の方”と同列に語ることはさすがに気がひけますが
歴史を含めて、いろいろと重複する部分が多いような気がしてならないのは
もちろん私の全くの個人的感覚に過ぎません)

さすが葬儀社にはお布施のデータも一覧表にまとめられている上
お寺ごとの作法の違いや式次第の順番の違いなどを事細かに記入した一覧表があるのですから
「対お寺さん」がプロにとってはミスを犯してはならない重要な点であることが分かります。

ちなみに、葬儀社の担当のHさんは「この資料自体が葬儀社の財産だ」と言っていました。

ところで、通夜は1人、葬儀は本寺から応援依頼された末寺の僧侶を含めて3人で執り行い
通夜と同じ僧侶は必ず葬儀にも来るのだそうです。

こんなことすら知らなかった私ですが、義母が生前書き残した書面の希望通り
葬儀は3人を2人にしていただき、高位な方丈様には来ていただけなく、戒名は普通の位のものではありましたが
3ケタと言われるこの寺の普通の相場の4分の一程度のお布施でなんとかお願いすることができました。

その際、「何も知らなくてすみません」とお詫びしながら
「母の書き残した遺志により〇〇円でお願いします」とはっきりと金額を明示した女房に
「無知が分かっているだけまだマシだ。気持ちがその程度ならそれでしょうがない」などという
嫌味っぽい言葉を浴びせかける方丈様を宗教者どころか、人として尊敬できるはずもなく
ましてや今まで、信仰に関する講話・説法など聞いたこともないのですから
お墓があることによる最低限のお付き合いにしたいものだと思わずにはいられませんでした。

 

(*)お寺参り

この地方特有との話もあり、今ではあまりしないとのことですが
いわゆる“お礼参り”のようです。

葬儀の翌日に善光寺や菩提寺に遺族や近親者が出向きお経をあげてもらいますが
葬儀社などがまだない頃に自宅で執り行なった場合は、お布施はこの時に渡していたそうです。

また、電話などもないため、四十九日の打ち合わせをする場でもあったと言います。

この日のお経ですが、庵主様に訊いたところでは
葬儀が終わっても故人の霊はまだその寺の仲間になっていないので、それをお願いするためとのこと…。

それにしても、通夜から3日連続のお経は必要なのでしょうか?

もちろん、これにも何がしかのお布施が必要で、翌日にこれをしなかった私に庵主様は
四十九日の時に別の包み(表書きは“上”)を「お寺参りの分です」と言ってお渡しするようアドバイスされました。

なんだかよく分かりませんし納得したわけではありませんが
庵主様にはいろいろ教えて頂いているので、できるだけそれに従うことにします。

 

(お布施の意味)

そもそも仏教における「布施」とは
他人に財施(財を施す)・法施(真理を教える)・無畏施(恐怖を取り除き安心を与える)など
「見返りを求めずに施すこと」であって「人のためにできる限りのことをする」という
社会福祉的活動を意味する教えです。

ただし、日常使う「お布施」の意味は
「僧や巡礼などに金品を与えること。また、その金品。特に、仏事の際の僧に対する謝礼」であるため
「僧侶がお経をあげる労働に対する対価」ではなく「信仰の証として施すもの」であって
そのおさがりを寺院護持のために僧侶が預かるものとされています。

このように、寺院にとっては「信仰心をお布施の額で表現してほしい」ということになりますが
普段は不信心な私などの本音は「葬儀のときだけとりあえずお願いする葬式仏教で良い」のですから
「心を形にする」などと言う難しいことは止めにして、いっそ「労働に対する対価」にしていただいた方が
はるかに分かり易いと思うのですが…。

もっとも、日常的に寺に足を運び仏に尽くしている人ならば
戒名はすでにもらっているはずなのでお布施は不要であって、仏に仕え切れていない人々が
葬儀の場を借りて“償う”意味合いを持つ、という説を唱える学者もいることはいるのです。 

参考までに、お布施は地域やお寺、戒名、お寺とのお付き合いの度合いなどによって異なりますので
〇〇万円と明示することは適当ではないそうですが、下の資料からすると
通夜・葬儀をお願いする場合、25万円~100万円くらいで検討すると良いようです。

・・・・・葬儀の際のお布施の平均額(戒名含む)・・・・・

全国平均 549000円

北海道 542000円
東北   688000円

茨城、栃木、群馬、千葉 341000円
東京、神奈川、埼玉 684000円
新潟、富山、石川、福井 483000円
山梨、長野、岐阜、静岡、愛知 597000円

近畿 494000円
中国 417000円
四国 399000円
九州 442000円 

(平成19年度、日本消費者協会調査による)

 

*私の場合

通夜の際、庵主様に3万円

葬儀の際、菩提寺僧侶に25万円、庵主様に5万円  合計33万円

義母の書き残した書面を参考に決めたので遺志には沿っていたのですが
この地方の平均からするとずいぶん安かったことになります。

 

 

 

コメント (2)
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