軽自動車を購入した際に課せられる取得税は
私が経験した範囲では「新車」を購入した時だけで
いわゆる「新古車」を含めて「中古車」に課税されたことはありません。
普通車の場合、軽自動車より安い新車価格でも
新車はもちろんですが中古車になっても2~3年落ちは全車
高級車などの新車価格が高いものだと6年落ちでも課税されることがあります。
これは大雑把な話、課税のベースになる価格が
新車時からの経過年数に応じた残価率を乗じて算出されるため
軽は償却年数が4年、普通車は6年であることが大きく影響するからです。
どちらにしろ、購入した者が負担する税金ですので
買わなければ払う必要がない性格であることは消費税と全く一緒です。
このため、物品を取得するという1つの原因に対して
2種類の似たような税金が課せられる二重課税だとの批判によって
この取得税を消費税の段階的な引き上げに合わて“差引ゼロ”になる形で
段階的に廃止することがすでに決まっています。
この時点で“差引ゼロ”という論法は使われているはずなのですが
ここに来てこれを再び引っ張り出しているように見えるのが
軽自動車税の増額の話です。
曰く、「1800億円の取得税が地方に入って来なくなるのだから
その分を軽自動車税を増額して賄う」
確かに地方はそうかもしれませんが、国税である消費税の収入は増えるのですから
国は地方に取得税の不足分を回せば済むことではないのでしょうか。
ちなみに取得税は都道府県に納付し、そのうちの66.5%は
管理する市区町村道の延長および面積に応じ市区町村に交付されていて
一方、軽自動車税は市町村税なので直接、市町村に納付しています。
つまり、こうした事態は初めから分かっていたのですから
これを盛り込んだ上での“差引ゼロ”の話だったはずなのに
それをしらばっくれて、新たな理由の振りをして
「地方が不足する云々」を再度、持ち出すことには納得が出来ません。
そしてさらに、「軽自動車税が普通車の自動車税に比べて安過ぎる」に対しても一言。
全て同一条件(車両価格130万円・9年間使用・排気量1800cc)で比べた場合
日本の自動車税はドイツの約2.4倍、イギリスの約1.4倍、フランスの約6倍
アメリカ合衆国の約14倍なのだそうですから、軽自動車税程度が
むしろ世界的に見たら自動車に課せられる妥当な税額なのです。
いずれにしろ、すで段階的に廃止されることが決まっている取得税にしろ
段階的に引き上げられる消費税にしろ、新車を購入しなければ払わないで済む税金を
“もう新車を買えない、または買わない人々”からぼったくろうなどとは
庶民中の庶民の私には何とも許し難い事態に思えてならないのです。