亡くなった義母の形見なので今も女房が普段の足にしている
H47Vミニカバンのリコール案内が届いたのはもう数ヵ月も前のことでした。
エンジンフロントケースに装着しているクランクシャフトオイルシールにおいて
車両生産時と異なる材質の補修用オイルシールに交換された場合
エンジンフロントケースの加工ばらつき、およびオイルシールの圧入量ばらつき等の
複合要因により当該オイルシールの保持力が低下しているものがありますので
オイル漏れが無い場合は、フロントケースにオイルシール抜け止め用プレートを追加装着
オイル漏れがある場合は、オイルシールを新品に交換するとともに
フロントケースに抜け止め用プレートを追加装着します。
車屋以来の付き合いで今も日常の整備を頼んでいるM工場でも
“異なる材質の補修用オイルシールに交換”など行なった記憶もないですし
去年の車検時にも下回りのオイル漏れは特に指摘されていませんでしたので
普段付き合いのないディーラー工場には電話しにくいこともあって
「慌てなくてもいいや!」と思い放っておきました。
普段から代車に乗ることを出来れば避けたい口ぶりの女房から
例え1日でもこのクルマを取り上げることは段取りからして面倒ですし…。
そもそもリコール案内は、例え他県に移転して名義が変更になっても
最初に新車を販売したディーラーから該当作業が完了するまで必ず何度も届く上
未実施の場合は陸運局で車検時に更新される車検証に
実施を促す細長い紙片がくっ付いてくるので
決してそのまま失念することがない仕組みになっています。
そして最近、2回目の案内が届いたのを機会に依頼することにしたのは
この夏2、3回、「エンストした!」と女房が騒いでいたからです。
私が運転する時は1度もないのに…。
10数年前の旧車の商用車のこと、燃焼を制御するコンピューターなど
多分、載っているはずもなく、「すぐ再始動できる」と言うのですから
短距離のみのチンタラ走りであまりエンジンを吹かさないことによる不完全燃焼で
プラグにカーボンでもくっ付いている程度とは思いますが
最近では全く症状が出ないらしく、このように常に再現できない場合は
故障診断すらままならず、あれも交換、これも交換になるのがオチなことは
車屋時代に何度も経験していますので、このリコール作業で
もしかしたらこちらも直るかもしれないという期待があったのです。
最悪、また症状が出たら「あのリコール作業以来、エンストするようになった」と
“言いがかり”を付けてもいいですし…(ここだけの話ですよ!)。
ディーラーのすぐ近くにあるK歯科医院にインプラントのメンテナンスに行く予定日は
女房も代車不要なので、その日の治療の間に実施してもらおうと思ったら
「もう一つリコール(エアインテークダクトの固定用クリップを対策品に交換)が
今年の7月に出ていますし、半日いただきたいので自宅まで取りに伺います」とのこと。
それなら、と早々に昨日依頼して、夕方には完成して戻って来ました。
届けに来た若い整備士の説明では
「オイル漏れがありましたのでタイミングベルトとオイルも交換させていただきました」
やった!!
ちなみに、こうしたリコール作業を実施した際の部品&工賃は
ディーラー工場はメーカー宛に全額請求を上げることができ
サービス(工場)売上の大きな一部になっているわけで
今やどんな新車を売っているのかさえよく分からず、旧財閥系でなければ
存続していることさえ不思議なほど衰退したように見える
このメーカー系のディーラーにとって極めて重要な収益源になっているはずです。
ところで、このタイミングベルトは
クランクシャフトの回転を上部のバルブに伝えその開閉をつかさどったり
冷却水を循環させるウォーターポンプを回すという極めて重要な役目を担っています。
にも拘らず、数万円もかけて10万㌔毎に交換しなければならず
それどころか、その距離に達しなくても破断することがあり
この場合はほとんどエンジンが損壊することになり
10数万円以上の修理費が発生してしまうというなんとも厄介なシロモノです。
普段はこうしてカバーで覆われているためファンベルト等のように
劣化状態を目で確認することもできず、中古車販売で何度か
苦い経験をさせられたこともあって個人的には大・大・大嫌いなメカニズムなのです。
もしかしたエンストも、クランクシャフトシールから漏れたオイルによって
このタイミングベルトが少し滑ってバルブ開閉が微妙にズレたためなのかも。
(コグベルトという“歯付き”ベルトなのにそんなことあるのかなぁ?)
最近はチェーンに取って代わられているこの厭らしいベルトですが
本来の数万円の負担なくしてこの時点で交換できたのですから、このリコール作業で
余計な不安、負担がなくなって大いに得をした気持ちになれたというものです。
軽自動車税値上がりの話もある昨今
現在このミニカはバイクと同じ税額の年4000円、もし倍になっても8000円
そうなれば余計にこの先ずっと長く乗り続けることになるはずで
これでもしエンストがなくなれば正に万々歳なのですが、果たして…。