リカコの、これは「ゴミのようなブログ」か「ブログのようなゴミ」か

今までの人生は挫折つづきでサボテンのぴょん太さんもベランダで干からびているけど、最近ようやく自分を肯定できてきてるかも…

ミとファの間、シとドの間

2015-06-06 16:05:57 | 日記
練習するとき以外に絶対に触ってはいけないものだった、ピアノ。

ピアノは「こうきゅうひん」だから。
ピアノは「ひゃくまんえん」するから。

黒くて光沢のするカバーがかかっている。
鍵盤の上にはワインレッドの長細いフェルトがかぶせてあって、埃がつくのを防ぐ。
鍵がかかっている。
防湿剤が中に入っている。
練習が終わったら黄色い布で手垢を拭き取って、変な臭いのするツヤ出し剤で磨く。
中は金キラキンだけど、覗いちゃいけないし、ましてや弦を触っては絶対にダメ!!!
というか、子どもには重くてフタを開けられないけど。

ピアノはものすごい高級品で、ピアノで遊ぶなんて私には考えられなかった。


だけど、アメリカで私は高級品として扱われていないピアノをたくさん見た。
日本みたいに黒塗りではなくて(黒いのもあったけど)、黄色や茶色の木でできていて、フェルトの布なんてないし、ふたも開けっぱなし。
鍵盤はだいたい2、3枚はがれていて、音程が外れている。
上にやたら荷物が載っている。
でもいろんな人が気軽にポロンポロン弾いて、元気のいい男の子が上によじ登ったとしても誰も怒らない。
イスなんか、2人で座ってリズムに乗って体を揺らしたりするから、ギシギシ。
というか、イスがとっくに壊れて無くなったりしているから、パイプいすが置いてあったり、立ったまま弾いたりもする。


ピアノの練習の前後に準備や後片付けが必要で、そういう儀式的な手順を経なければならないし、汚すと叱られたし、傷なんてつけようものならブチ殺されただろうから、私にとってピアノは日常的なものではなかった。
でも、ピアノを楽しく弾く人のところには、生活の一部になっているピアノがあるんだなぁ。


と思って、去年うちに来たピアノ(電子ピアノだけど)は、ふたを開けっぱなしにして、子どもたちがおもちゃでガンガンたたいたり、黒鍵の上のガタガタ道をプラレールが走ったりしても「やめなさい!」とは絶対に言わないようにしている。
先日は、黒鍵と黒鍵の間がトミカの駐車場に(笑)






ピアノが、音楽が、この子たちの生活の一部になったらいいなぁ。

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