しばらく「皇八」に捧げる夜を送っていたため、最近の日本の動向にまったく無頓着だったが、昨日なにげなくテレビをつけてみてほんとうに驚いた。
ネットニュースを引っ張ってきてここで問いたいのだけれど、
神奈川県警の現職警視が関与した疑いのある有限会社「神世界(しんせかい)」による霊感商法事件で、詐欺容疑で強制捜査を受けるきっかけとなったサロンを運営する有限会社「E2(イー・スクエア)」の杉本明枝社長(44)が23日、取材に応じ、「だまそうという気持ちでやっているのではない」と釈明した。同県警警視については、「会計を手伝ってもらった。謝礼として月数万から十数万円、振り込みや手渡しでこれまで240万円ほど渡した」と説明した。
杉本氏は、東京都港区のマンション20階にある「びびっととうきょう・青山サロン」で会見した。この部屋は同県警の前警備課長吉田澄雄警視(51)が連帯保証人になっている。(以下略)
これってつまり、
「神世界」=「E2」=「びびっととうきょう」
と判断していいのだろうか。というか、そう解釈しろってことよね、この書き方。
びびっととうきょう、私知ってるし。
ちょっと前にしつこく誘われたことあるし。
今の職場に入社したとき、同じ日に中途入社した人たちの中にAさんという女性がいた。非常勤看護師の彼女と事務職の私は、別々のオリエンテーションを受けて別々の職場に配置されたけれど、食堂や更衣室や新入社員健診なんかで度々顔を合わせていた。
後姿がシャンとしていて、スタイルがよく、肌がつるつるで、いつも明るい表情をしている美人だった。
入社して1ヶ月足らずの頃って、新しい環境になかなか慣れなくて、鳴っている電話に出られなかったり、毎朝吐き気に襲われていたり、私はちょっとこの職場には合わないかなぁ…などと弱気になりかけている時期でもあった。だから、楽しそうに仕事をしている彼女が本当にうらやましかった。
そんな私を見かねて、Aさんがヒーリングを薦めてくれた。
先輩にキツクあたられてかなり落ち込んでいたときに、絶妙のタイミングで彼女が現われ、空いていた会議室に鍵をかけて10分間のヒーリングをやってくれた。
「なにか、温かいものを感じなかった?」
「? 感じなかったけど…?」
「リカコさんの体はすごく冷えてた。でも、これを何回か続けてみると、冷えが治ると思うんだ。」
「そうなの?」
「それから、おうちの庭にお稲荷さんを祀ってない?」
ちょっとうさんくさい。でも、
「祀ってる。」
「そこ、荒れちゃってるでしょ。きれいにした方がいいと思うよ。家族関係でなにか問題をかかえているみたいだったから。」
めちゃめちゃ心当たりがあった。
弟のお嫁さんのことで、私の実家がかなりごたごたしている時期だった。
ま、その辺にいる人に「あなたは冷え症ですか?」とか「家庭問題かかえてませんか?」とか聞いて見れば、3人に2人の確率でヒットするだろうとは思いますが。
この10分間おためしヒーリングの効果は翌朝表れた。
休日だというのに早朝に気持ちよく目が覚め、しかも、筋金入りの便秘でコーラックジャンキーであるこの私に、するんっ!とお通じがあったのだ。
便器をのぞきこんでしばし呆然としたあと、油揚げを買って実家に直行しましたね。
お稲荷さんの祠は、祖父が死んでから誰も手入れをしていなかったので、とてつもなく荒れていた。
というか、祖父がちゃらんぽらんだったので、生前からずっと荒れていたと言ったほうがいい。
まず、土台の石が平らでなかったので、地震か、台風かのせいで祠は斜め45度くらい傾いていた。祠の中には枯葉がつまっていて、外に陶器の狐が5体も転げているじゃないか。
2体がひび割れて、セロテープでくっつけられていた。
祖父が比較的新しい2体を買ってきたらしい。
あともう1体は、狐にしては妙にトカゲチックな尻尾をしているな…と思っていたら、塗料がはげてあまりそれとはわからなくなっていたけれど、これはどうみてもドラゴンボールZの「セル」のキーホルダーだった。
じいちゃん…、セル祀ってんのかよ。
割れた狐をどうするか、そして長年神として祀られていた「セル」をどうするのか私には判断しかねたので、うちの祠には相変わらず狐が5体(正確には4体+セル)いるのだけれど、2週間に一度、あるいは2ヶ月に三度くらいのペースで祠をきれいにして油揚げを供えることを、私は1年半続けた。
そうしたら、しばらく行方不明になっていた弟がひょっこり帰ってきてそれまで親不孝だったことを詫びるという事件があった。
そうすると、月に2回帰ってくる長女よりも長男の方が大事になってしまい、ウチの親がまたちやほやと甘やかし始めたので、シャクなのでお参りをやめてやった。
ま、そんな話は今はどうでもいいのだ。
10分間おためしヒーリングのあと、私は「びびっととうきょう」の名刺を渡され、お店に行ってみようよとAさんから執拗に誘われた。
私はこういうときかなり慎重派で、何か新しいものに飛び込むときは四季報から2ちゃんねるまで綿密にリサーチするのだけれど、「びびっととうきょう」についての情報がほとんど見つからなかった。唯一見つけた情報が、「びびっととうきょう」のトップである女性が、以前は占い師だったこと。それを知っただけで、なんかアヤシイなぁ…と腰が引けてきた。
それに、Aさんは私に会うたびに超自然的な力について熱心に語り、「ヒーリングした水を飲んだ子どものアレルギーが治ったの」とか「ヒーリングしたお米しか食べてないのに、ぜんぜん栄養が偏ってないのよ」とかいう話を聞かされるので、ある日イイカゲンいやになって、興味がないことを携帯メールで伝えた。
と言っても、私は結構まじめで律儀な性格で、このご時勢にネットで情報開示をしていない企業は信用力がないとか、人に対するヒーリングはまだ信じられるけれど、物に対するヒーリングは新興宗教っぽいとか、そもそも「ヒーリングする」という語法が間違っていて本来は「ヒールする(heal=癒す)」と言うべきだとか、自分がおかしいと感じることを箇条書きにして携帯メールを書き、当時ドコモの携帯は200字しか文字を受け取れなかったので何通にも分けて送りつけたら、3通目くらいで
「もういいから。もうリカコさんは誘わないから、クレームメールやめて。」
とキレられて(笑)、Aさんとの関係は終わった。
昨日のニュースで、最初占い師だったけどヒーラーに転向しそして新興宗教まがいのことまでやっていたあの女社長のまったく悪びれる様子もなくインタビューに応じている姿を見て、Aさんの態度と全く同じだなぁ…と思わずにいられなかった。
Aさん、半年くらいで退職してしまったけれど、今どうしているのだろう。
「他の病院で布教活動してるんじゃない?脈がないと思ったらその度に転職してサ」
と夫は言う。きっとそうだろうな。
ネットニュースを引っ張ってきてここで問いたいのだけれど、
神奈川県警の現職警視が関与した疑いのある有限会社「神世界(しんせかい)」による霊感商法事件で、詐欺容疑で強制捜査を受けるきっかけとなったサロンを運営する有限会社「E2(イー・スクエア)」の杉本明枝社長(44)が23日、取材に応じ、「だまそうという気持ちでやっているのではない」と釈明した。同県警警視については、「会計を手伝ってもらった。謝礼として月数万から十数万円、振り込みや手渡しでこれまで240万円ほど渡した」と説明した。
杉本氏は、東京都港区のマンション20階にある「びびっととうきょう・青山サロン」で会見した。この部屋は同県警の前警備課長吉田澄雄警視(51)が連帯保証人になっている。(以下略)
これってつまり、
と判断していいのだろうか。というか、そう解釈しろってことよね、この書き方。
びびっととうきょう、私知ってるし。
ちょっと前にしつこく誘われたことあるし。
今の職場に入社したとき、同じ日に中途入社した人たちの中にAさんという女性がいた。非常勤看護師の彼女と事務職の私は、別々のオリエンテーションを受けて別々の職場に配置されたけれど、食堂や更衣室や新入社員健診なんかで度々顔を合わせていた。
後姿がシャンとしていて、スタイルがよく、肌がつるつるで、いつも明るい表情をしている美人だった。
入社して1ヶ月足らずの頃って、新しい環境になかなか慣れなくて、鳴っている電話に出られなかったり、毎朝吐き気に襲われていたり、私はちょっとこの職場には合わないかなぁ…などと弱気になりかけている時期でもあった。だから、楽しそうに仕事をしている彼女が本当にうらやましかった。
そんな私を見かねて、Aさんがヒーリングを薦めてくれた。
先輩にキツクあたられてかなり落ち込んでいたときに、絶妙のタイミングで彼女が現われ、空いていた会議室に鍵をかけて10分間のヒーリングをやってくれた。
「なにか、温かいものを感じなかった?」
「? 感じなかったけど…?」
「リカコさんの体はすごく冷えてた。でも、これを何回か続けてみると、冷えが治ると思うんだ。」
「そうなの?」
「それから、おうちの庭にお稲荷さんを祀ってない?」
ちょっとうさんくさい。でも、
「祀ってる。」
「そこ、荒れちゃってるでしょ。きれいにした方がいいと思うよ。家族関係でなにか問題をかかえているみたいだったから。」
めちゃめちゃ心当たりがあった。
弟のお嫁さんのことで、私の実家がかなりごたごたしている時期だった。
ま、その辺にいる人に「あなたは冷え症ですか?」とか「家庭問題かかえてませんか?」とか聞いて見れば、3人に2人の確率でヒットするだろうとは思いますが。
この10分間おためしヒーリングの効果は翌朝表れた。
休日だというのに早朝に気持ちよく目が覚め、しかも、筋金入りの便秘でコーラックジャンキーであるこの私に、するんっ!とお通じがあったのだ。
便器をのぞきこんでしばし呆然としたあと、油揚げを買って実家に直行しましたね。
お稲荷さんの祠は、祖父が死んでから誰も手入れをしていなかったので、とてつもなく荒れていた。
というか、祖父がちゃらんぽらんだったので、生前からずっと荒れていたと言ったほうがいい。
まず、土台の石が平らでなかったので、地震か、台風かのせいで祠は斜め45度くらい傾いていた。祠の中には枯葉がつまっていて、外に陶器の狐が5体も転げているじゃないか。
2体がひび割れて、セロテープでくっつけられていた。
祖父が比較的新しい2体を買ってきたらしい。
あともう1体は、狐にしては妙にトカゲチックな尻尾をしているな…と思っていたら、塗料がはげてあまりそれとはわからなくなっていたけれど、これはどうみてもドラゴンボールZの「セル」のキーホルダーだった。
じいちゃん…、セル祀ってんのかよ。
割れた狐をどうするか、そして長年神として祀られていた「セル」をどうするのか私には判断しかねたので、うちの祠には相変わらず狐が5体(正確には4体+セル)いるのだけれど、2週間に一度、あるいは2ヶ月に三度くらいのペースで祠をきれいにして油揚げを供えることを、私は1年半続けた。
そうしたら、しばらく行方不明になっていた弟がひょっこり帰ってきてそれまで親不孝だったことを詫びるという事件があった。
そうすると、月に2回帰ってくる長女よりも長男の方が大事になってしまい、ウチの親がまたちやほやと甘やかし始めたので、シャクなのでお参りをやめてやった。
ま、そんな話は今はどうでもいいのだ。
10分間おためしヒーリングのあと、私は「びびっととうきょう」の名刺を渡され、お店に行ってみようよとAさんから執拗に誘われた。
私はこういうときかなり慎重派で、何か新しいものに飛び込むときは四季報から2ちゃんねるまで綿密にリサーチするのだけれど、「びびっととうきょう」についての情報がほとんど見つからなかった。唯一見つけた情報が、「びびっととうきょう」のトップである女性が、以前は占い師だったこと。それを知っただけで、なんかアヤシイなぁ…と腰が引けてきた。
それに、Aさんは私に会うたびに超自然的な力について熱心に語り、「ヒーリングした水を飲んだ子どものアレルギーが治ったの」とか「ヒーリングしたお米しか食べてないのに、ぜんぜん栄養が偏ってないのよ」とかいう話を聞かされるので、ある日イイカゲンいやになって、興味がないことを携帯メールで伝えた。
と言っても、私は結構まじめで律儀な性格で、このご時勢にネットで情報開示をしていない企業は信用力がないとか、人に対するヒーリングはまだ信じられるけれど、物に対するヒーリングは新興宗教っぽいとか、そもそも「ヒーリングする」という語法が間違っていて本来は「ヒールする(heal=癒す)」と言うべきだとか、自分がおかしいと感じることを箇条書きにして携帯メールを書き、当時ドコモの携帯は200字しか文字を受け取れなかったので何通にも分けて送りつけたら、3通目くらいで
「もういいから。もうリカコさんは誘わないから、クレームメールやめて。」
とキレられて(笑)、Aさんとの関係は終わった。
昨日のニュースで、最初占い師だったけどヒーラーに転向しそして新興宗教まがいのことまでやっていたあの女社長のまったく悪びれる様子もなくインタビューに応じている姿を見て、Aさんの態度と全く同じだなぁ…と思わずにいられなかった。
Aさん、半年くらいで退職してしまったけれど、今どうしているのだろう。
「他の病院で布教活動してるんじゃない?脈がないと思ったらその度に転職してサ」
と夫は言う。きっとそうだろうな。