その瞬間パチッと目が覚め、「いやーん(嬉)」と毛布を抱きしめながらゴロゴロ転がってしまった(アホだ)。
まず、うつつ(現実)の話をしてちょっと補足しておくのだけれど、最近とても気になっているのがTさんの右手だ。
あの部屋に入るとき、廊下からチラッとまず見えるのがTさんのきったない机上で、ノートパソコンがあり、その脇のマウスの上に右手が置かれている。
スーツ姿の男の右手である。
お葬式の指差しマークの例を待つまでもなく、男性の手もとというのは目立ち、そしてドキッとするものなのだ。
しかもこの場合、廊下からはTさんは見えないのに、手だけ見えるというその状況が、なんかドキッとしてしまう。
Tさんには
あれ 以来とても気を遣っていただいて、おかげで隣に座っていても緊張しなくなったのだが、この手がチラッと見える状況というものに未だに慣れていない。特段大きかったり、ゴツゴツとしてセクシーだったりするわけではないのだけれど、私は廊下からその手を見て「あっ、いる」とわかると、妙にドキドキしてしまうのである。(私、ヘンかなぁ)
(注意:この先は、妄想モード炸裂でお届けします。
Tさんを個人的にご存知の方には、読むことをお勧めしません。)
そしたらその右手が夢に出てきた。普段下ろしてある窓のブラインドーは上がっていて、向かいに建っているガラス張りの診療所が夕闇にきらめいていた。いやにリアリティがあって、くっきりと覚えている。
夢の中で私は、その右手を握りしめてしまった。
驚き、立ち上がるTさん。
「どうしたの、突然」と聞かれるも、そんな大胆な行動に出てしまったこと自体が自分でも信じられず、戸惑い、何も言わずにTさんの右肩に頭をもたせかけた。
そして膠着する時間。
Tさんは空いた方の左手で部屋のドアを閉めた。隣の部屋にはもっと上の上司がいるので、気づかってノブを回したまま、音のしないようにゆっくりと閉めた。
「キスしていいの?」
「……」
「…迷ってる?」
「Tさん、私…」
「いいよ、わかってるから」
ああどうしようどうしようと思いながらも私は顔を上げ、そして瞳を閉じたのだった…。
それで目が覚めた。
いやぁ、アホですねー。
しかしそれよりももっとアホなのは、今、すぐ横にTさんがいて仕事をしているのに、このブログを書いているという状況。
キスで逮捕状が出てる人もいるので、夢と現実がごっちゃにならないよう、以後気をつけます。
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