half moon bay

酒と釣りの友 天国の mさんヘ

frog 

2009-07-30 21:30:25 | 生き物たち
mさん まさか続編をこんなに早く書くことになるとはさすがに思いませんでした。あいつ(オスかメスか分からないので)は今日帰って来たのです。
捕獲して逃げられたのはわずか2日前のことです。お蔭様で二晩安眠できました。
ところが今日の午後5時ごろまた鳴き声がしたので見に行くと例の松の隣の木にいました。こちらもずいぶん修行を積んだおかげで一発で仕留め、再度前回と同じ駐車場の真中で撮影したのがこの写真です。今度はまだ少し明るかったので逃げられることなく再度捕獲して約1キロ離れた川の下流に放流いたしました。

考えてみると100メートル近く離れているとは云え駐車場の溝から我が家の溝は一直線でつながっておりました。溝に逃げ込んで東に進めば難なく我が庭にたどり着けたのです。それにしても何故、生命の危険も顧みずに松の木を目指したのか?蛙ながら敵もなかなかやるものだとその豪胆ぶりに感心いたしました。

先日来、今回の件を相談していたお寺の住職は蛙は一匹でいることは無くかならずに二、三匹いるはずだと言い張っております。そう云われて見れば前回よりやや小さくなった気もしないでもありませんが、それならば何故2日間ピタリと鳴き止んだのか説明がつかないではありませんか。

どっちでも良い話ですがどう思います?


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trout

2009-07-30 17:17:32 | 西海岸
アートは今どうしているだろうか。最後にあってからもう25年経っているので、あいつもかなりのおっさんになっているに違いない。当時はまだ二十歳ぐらいだったはずだ。
ひょろりとした瘠せがたでどことなく知性を感じさせる雰囲気をもっていた。

僕が釣り好きなのを知るとニジマス釣りに誘ってくれた。今となってはどこに行ったのか記憶があいまいだ。方角としてはサウサリートを過ぎてサクラメントに向かう MARIN COUNTY のどこかだ。

釣具店で FISHING LICENCE と餌を買う。カリフォルニア州では無許可での釣りは違法で、もし見つかると罰金と釣り道具一式を没収されてしまう。実際に僕の友人は見つかって処分を受けたそうだ。餌はイクラを使う。瓶詰め入りで売っている。そのまま酢飯をつくればイクラの軍艦巻きの一丁あがり。こちらのニジマスは食通だ。

日本ではヤマメやイワナの渓流釣りの経験がある僕だがニジマスは初めてである。要領が掴めないままどんどん上流に向かって行くうちに川幅がどんどん狭くなり、ある一軒家の裏庭と接する小川にたどり着いた。見たところ絶好のポイントである。しばらくやっているとかなり遠く離れた家の中から怒鳴り声が聞こえた。アートに聞けば家の主人が「そこは俺の川だからよそで釣れ」と文句を言っていることが分かった。生まれつき尻の穴が小さい僕が竿をもって移動しようとしたら意外にも優男然としたアートは「遠くから投げれば平気さ」と動こうとしない。

しばらくポチャポチャとキャスティングをつづけていたら、ものすごい形相の大男がライフルをかかえて裏のドアから飛び出して来た。

われわれに照準を合わせて低い声で言い放った。

“LISTEN! I SAY ONCE AGAIN. DON'T FISH IN MY RIVER. GET OUT OF HERE.”

目が本気だ。思わずアートを見る。その目の中に恐怖を見た。

ほうほうの態で逃げ出した帰り道、海水浴にもってこいの清流の深みがあった。ふたりともパンツ一枚になって泳いだ。

久しぶりに思い出したのはあの時の恐怖に怯えた目と間抜けなアートのパンツ姿だ。


PHOTO BY FREDERIC LARSON / SAN FRANCISCO CHRONICLE
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