ミルクとの出会いまで
突然命を落としてしまったクッキー
最愛のクッキーをうしない悲しみにくれていましたが
クッキーの別れから2ヵ月、新たな犬との出会いがありました
2018年8月3日、マルプーのミルクが我が家にやって来ました
新たな犬との日々がはじまりました。
コロナ禍の年末年始は、韓国でも慌ただしく過ぎていった。(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)
文在寅(ムン・ジェイン)政権が誇った徹底的な検査による「K防疫」が絵空事だったこと、K防疫の公報に多額の税金がつぎ込まれたこと、そして売買契約が遅れているワクチンをめぐる騒ぎのなかで、文大統領の支持率がとうとう30%代半ばをさまようようになった。
ところが、そんな騒々しさとは全く関係ないはずの「反日」活動は、相変わらず堅調である。いや、堅調どころか、ずいぶん威勢がいい。
それは1月8日、元従軍慰安婦訴訟でソウル中央地裁が日本政府に損害賠償命令を下したことからもわかるだろう。
そもそも、韓国から「反日」を取り去ることは、どう逆立ちしても不可能である。何と言っても憲法の前文で「悠久の歴史と伝統に輝く我が大韓民国は、3.1独立運動により樹立した大韓民国臨時政府の法統を継承」すると謳っていて、のっけから日本との対立を掲げているのだ。だから韓国では、何かにつけて日本を批判することは、憲法の精神に則った正義なのだ。
韓国の反日は、戦前に日本に統治されて大変な被害に遭ったという歴史認識に根を張っている。
そのような国で暮らしていると、日常的な反日発言などにいちいち反応する気にもならない。普通に「日本人」と言えばいいものを、「日本奴(イルボンノム)」とわざわざ蔑称を使うお国柄だ。
普段からテレビを見ていても、状況は同じだ。昨年(2020年)10月に、有名な小説家である趙廷来(チョジョンネ)氏が「150万~160万に上る親日派を断罪しなければならない」「日本留学に行けば猫も杓子も親日派になってしまう」と発言したことは記憶に新しい。
そんな言葉に腹を立てるのもバカバカしいが、むしろ、そういう物言いしかできないことに、哀れみを禁じ得ない。こんなことは韓国では日常茶飯事で、今さら取り立てて騒ぐ必要はない。
だがそれでも、最近、ちょっと驚くような反日発言が歴史教育番組で繰り広げられているのを目の当たりにした。反日がまたワンランク、いや、ツーランクもアップしているのだ。
韓国の反日は、戦前に日本の統治を受けて散々な目に遭わされたという被害者意識に根差している。だから“日本=自分たちを搾取した悪”という図式でしか考えられず、それに合わない歴史的事実は一切受け入れられない。
驚くべきは、この発想が最近はさらに進化・発展してきているのだ。
そうした先端的な歴史観を標榜しているのは、韓国史教育者として知られているソル・ミンソク氏である。見た目は若々しいが、1979年の朴正煕暗殺のときに小学生だったという話をしていたので、だいたい50歳前後と思われる。
ソル氏は毎週日曜日の夜9時から、地上波であるMBCの歴史教育番組にレギュラー出演して、古代から現代までの韓国史を紹介している。その語り口は、わかりやすく、情熱的で、歴史上のさまざまな事件を次から次へと語り続け、聞く者を飽きさせない。外見が若々しいこともあり、歴史教育を受け始める小学校高学年あたりから大人まで幅広い人気がある。
もちろん、近代史の話になれば、「日本から受けた被害」についての言及を忘れることはない。その時は顔を硬直させて、怒りを込めた口調で語る。
年末の12月26日の晩、テレビのチャンネルを回していると、ソル氏が日曜日でもないのに映し出された。しかも今回はtvNというケーブルテレビ局である。調べたところ、昨年12月に始まった毎週土曜日放送の「ソル・ミンソクの世界史まる裸」という番組である。
この日のテーマは韓国および日米の近現代史だった。日中戦争、南京大虐殺、731部隊での生体実験と、ビッグテーマが目白押しである。そしてさらに戦後、米軍による日本への進駐、天皇の人間宣言、東京裁判を含めた戦犯処理の話に及んだ。
そこで語られていたことの一つひとつは、これまで日本でも語られてきたことである。だが、問題はそれらを全体的に見たときの解釈の仕方である。日本軍部の中枢にいた人物をアメリカが戦犯とするとき、その基準にアメリカの利益が重要視されたということを、声高に語っていた。
例えば、731部隊で初代部隊長を務めた石井四郎が戦犯にならなかったのは、アメリカに部隊のデータを提供したからだ、という話だ。
ソル氏はこのことをめぐり、アメリカが韓国を助けたのは、韓国のためを思ったのではなく、国益のためだったと語る。そして、戦犯となるべき日本人を助けたアメリカに対する反抗心を剥むき出しにしていた。
それから日本統治を終えた韓国は発展を遂げていることに触れたが、朝鮮戦争におけるアメリカ人の犠牲や、朴正煕時代に日米から受けた支援などについては一切触れようとしない。そして、番組を締めるにあたって、アメリカや日本に向けてであろうか、こうつぶやいた。
「私たち韓国人が良い暮らしをすることが、復讐なんだ」
やられたから、やり返す。日本に対して延々とぶつけられてきた韓国式発想が、もはや、戦後の日本を救ったアメリカにも向けられるようになった。今の韓国では、そうした歴史観がお茶の間で広められていて、子どもたちはそれを鵜呑みにしてしまう。
そうした情緒の国では、2015年末にアメリカの仲介で慰安婦合意を結ぼうが、そんな合意は一方的に「なかった」ということにされてしまうのも当然だ。1月8日のソウル中央地裁で下された元慰安婦に対する日本政府への賠償命令は、そうしたことが背景にある。
韓国の反日はどこまで拡大するのだろうか。アメリカにも公然と向け始めた排他的発想が、東アジアの火種になるのではないかと危惧せざるとえない。
(追記)なお、ソル・ミンソク氏は、延世大学へ提出した修士論文の盗用が発覚し、12月29日にそれを認め、現在は番組を降板している。