copyright (c)ち ふ
絵じゃないかおじさんぐるーぷ
それを知る術もないが、奴らにして見れば、
バイクなど腹立たしき無視すべき
存在なのだろう。
奴らは仕事だし、私は遊び。
それも仕方のないことなのか?
木之本I・Cで一休みした。
缶コーヒーを買って飲んだ。
その時、プルトップで指を切った。
手は冷えきっていて、冷たくて、カサカサになっていた。
血が止まらない。
かなり深く切ったのだろう。
気の小さい私は、1cmにも満たない
その切り口から、血が全部抜け出して
ゆくのではないかと思った。
少し大げさかもしれないが、勢いをつけて血が溢れ出てくるのだ。
テープを巻いたが、それでも止まらない。
血友病にでもなっているのかと不安になった。
ここまで来て、このぐらいの傷で帰ったら、と思い、
そのまま進むことにした。
そのインターを出て、しばらくしてエンジンが不調になった。
おかしい。
すぐにガス欠を疑った。
購入して半年余りだからマシンの故障ではないと思った。
高速を走るとガソリンの消費が激しい。
やっぱりガス欠。
経済走行で走る。
スタンドは必ずあるはずだが、気が気でなかった。
普通なら、例え枯れ景色でもこんなに車の少ない道は、
景色を捕らえながら、
走れるのにと思うと残念であった。
心はガソリンの残量とスタンドばかり捜している。
何とかスタンドに辿りつけた。
危ない。危ない。
指の血もまだ止まりきってはいない。
散々だ。
27号に入って、日本海を見たが11月ごろとほとんど変わりない。
そのうち、レインボーラインに入った。
山枯れの景色はわびしい。
途中の見晴らしのよいパーキングエリアで休んだ。
その時である。
つづく