昨夜、テレビで「光る壁画」というドラマを見た。吉村昭の原作をドラマ化したもので、以前原作を読んだことがあったので少し期待していたのだが、これは全く原作を借りただけのオリジナルに近いと言えるかも知れない。よくあるケースなのだが、納得できない。
原作は地味ではあるが、困難に取り組む研究者たちのゆったりと着実な歩みを描いているが、テレビではオリジナルで戦争の傷跡らしきものが妙に強調されていたがそれはないだろう。さすが戦争の嫌いな朝日新聞系列のテレビ局だ。
こんな点に重点を置いてどうするんだ。途中でチャンネルを変えようと思ったよ。また、佐藤隆太演じる主人公が加藤あいの妻ともめて、妻が出ていく場面もオリジナルだと思うが、正直ちゃっちい内容。佐藤の上司の描き方にしても疑問が残った。戦後すぐの日本で、お愛想は少ないだろうが、もっと誠実さがにじみ出るはずなのにお客へのあの態度はないだろう。
あまりにも現代的な視点でとらえている。全体的に軽いんだ。一体、脚本家は誰なのか。この脚本家をはじめスタッフの描く作品はあまり見たくないという印象。
こんなことなら松下幸之助を描いたNHKのドラマの方がましだったかもしれない。