慈心溢れ 揺るがぬ照射
今日の私は 何でも許せる
冬日の至福満身に浴び
行く末の不具合も忘れうっとりとする
今できる事と 持ち合わせているいくつかの自負
なんの根拠もなく 明日も同じ日照を信じている
あやぶみながらも氷の道を疾走し 凍てついた街中を彷徨い
手当たり次第にカートに放り込む今日の食材
怖れも 悩みも 屈託もない
悔やみを送り香を焚く
ささくれたタオルを捨てる
雪を掃きアヒージョを作る
機能不全の上腕二頭筋 痺れる足裏 乾く眼球 遠ざかる音源
痛点からこぼれ出た悲歎の声はことごとく打ち払い
凡てを忘れて月に棲む
昨夜の月は満ち足りていたように見えました。
言葉もまた満ち欠けをしますが、月に棲む方の心を鏡のように写しているのかもしれません。