Piano Tuner of Earthquakes(2005)
ストップーモーション・アニメの鬼才クエイ兄弟2作目の長編映画。前作「ベンヤメンタ学院」から構想10年、プロデューサーにクエイ兄弟のよき理解者であるテリー・ギリアムを迎えたこの作品は、何一つ妥協しない相変わらずのクエイ・ワールドです。東京では10月18日からアート系シアターで劇場公開されています。
研究者ドロー(Gottfried John)に雇われた天才ピアノ調律師フェリスベルト(C�sar Sarachu)。彼はドローの研究所で、7台の自動人形(オートマタ)の調律を頼まれます。しかし博士の研究所には、美しいオペラ歌手マルビーナ(Amira Casar)が幽閉されていました。ある計画のために調律を必要とするオートマタ、そして彼女もまたその計画になくてなならない部品のひとつだったのです。次の月食の夜行われるその計画にフェリスベルトは地震調律師という役目を果たすことになる・・・
クエイ兄弟の魅力はストップモーション・アニメをアートの域まで高めたこと。彼らがアートを学ぶ学生だったころから一貫して変わらないテーマであるエロス・深い森・香り・死・音楽といった要素はこの映画でも変わりません。”一般の方”にはもちろんお勧めいたしません。暗闇の中で蠢く人形たちを愛し、少なくともクエイ兄弟とは何者かを知っている人のみがそこに魔術を見出すことが出来る、ダークで妖しい人形アニメーションと美しい滴るようなゴシック・アート的実写(ライブ・モーション)を組み合わせた、異常なまでの映像へのこだわりで見せる「ポエティック・サイエンスフィクション(クエイ兄弟の言葉)」。
ドロー博士の水圧で動く自動人形オートマタ。彼らは「夢」で構成されている自動人形たち。ドローとは、有名なスイスのオートマタ作家ピエール・ドローから取られています。自動人形なんてなまめかしい人間そっくりの人形を想像してしまうかもしれませんが、クエイ兄弟の人形は捨てられ、風月にさらされたおもちゃの部品のような、人間らしさをもたないパーツ。夢の中で動くオートマタたちのパーツは、思い出そうとすると消えてしまう夢の記憶のように断片的な美しいイメージに満ち、性器をかたどったパーツや有機物(生肉)と機械の組み合わせ、ちらちらする反射光と狂った人形の甲高い笑い声といったクエイ兄弟が大好きなイメージはこの映画でもあちこちに見られます。
そしてなんと?この映画ではSFXを使っているんですね~!!DVDに収められている記者会見でも「新技術を使っているようですが・・・」と聞かれ、「分かる?」とやたら嬉しそうだった兄弟。まあ、この映画、SFらしいですから・・・
ラテンアメリカ文学の濃厚な精神世界、現実と幻想が入り混じる「魔術的リアリズム」と、シュールリアリズム画家マグリットの世界に見られる非現実的な空間イメージを参考にしたというこの作品。映画全体を包む、濃厚なラテン・ゴシックの香りは前作「ベンヤメンタ学院」よりも強く、漂うエロティズム、婚礼と死、花嫁と血、民間伝承といったラテン的符号がより強く感じられます。
夢で構成された自動人形オートマタが奏でるのは音楽ではなく、記憶。永遠に記憶され、誰も見る人がいなくても繰り返し演じられる記憶の無限回路。
この彼(別のショートフィルムの画像)はこの映画では斧もって大活躍??クエイ兄弟のお気に入りですね。
映画オフィシャルサイト。こんなサイトまで作っていただいて・・・・(涙)これもUKイヤーのなせる業。
ピアノチューナー・オブ・アースクエイク オフィシャルサイト
ストップーモーション・アニメの鬼才クエイ兄弟2作目の長編映画。前作「ベンヤメンタ学院」から構想10年、プロデューサーにクエイ兄弟のよき理解者であるテリー・ギリアムを迎えたこの作品は、何一つ妥協しない相変わらずのクエイ・ワールドです。東京では10月18日からアート系シアターで劇場公開されています。
研究者ドロー(Gottfried John)に雇われた天才ピアノ調律師フェリスベルト(C�sar Sarachu)。彼はドローの研究所で、7台の自動人形(オートマタ)の調律を頼まれます。しかし博士の研究所には、美しいオペラ歌手マルビーナ(Amira Casar)が幽閉されていました。ある計画のために調律を必要とするオートマタ、そして彼女もまたその計画になくてなならない部品のひとつだったのです。次の月食の夜行われるその計画にフェリスベルトは地震調律師という役目を果たすことになる・・・
クエイ兄弟の魅力はストップモーション・アニメをアートの域まで高めたこと。彼らがアートを学ぶ学生だったころから一貫して変わらないテーマであるエロス・深い森・香り・死・音楽といった要素はこの映画でも変わりません。”一般の方”にはもちろんお勧めいたしません。暗闇の中で蠢く人形たちを愛し、少なくともクエイ兄弟とは何者かを知っている人のみがそこに魔術を見出すことが出来る、ダークで妖しい人形アニメーションと美しい滴るようなゴシック・アート的実写(ライブ・モーション)を組み合わせた、異常なまでの映像へのこだわりで見せる「ポエティック・サイエンスフィクション(クエイ兄弟の言葉)」。
ドロー博士の水圧で動く自動人形オートマタ。彼らは「夢」で構成されている自動人形たち。ドローとは、有名なスイスのオートマタ作家ピエール・ドローから取られています。自動人形なんてなまめかしい人間そっくりの人形を想像してしまうかもしれませんが、クエイ兄弟の人形は捨てられ、風月にさらされたおもちゃの部品のような、人間らしさをもたないパーツ。夢の中で動くオートマタたちのパーツは、思い出そうとすると消えてしまう夢の記憶のように断片的な美しいイメージに満ち、性器をかたどったパーツや有機物(生肉)と機械の組み合わせ、ちらちらする反射光と狂った人形の甲高い笑い声といったクエイ兄弟が大好きなイメージはこの映画でもあちこちに見られます。
そしてなんと?この映画ではSFXを使っているんですね~!!DVDに収められている記者会見でも「新技術を使っているようですが・・・」と聞かれ、「分かる?」とやたら嬉しそうだった兄弟。まあ、この映画、SFらしいですから・・・
ラテンアメリカ文学の濃厚な精神世界、現実と幻想が入り混じる「魔術的リアリズム」と、シュールリアリズム画家マグリットの世界に見られる非現実的な空間イメージを参考にしたというこの作品。映画全体を包む、濃厚なラテン・ゴシックの香りは前作「ベンヤメンタ学院」よりも強く、漂うエロティズム、婚礼と死、花嫁と血、民間伝承といったラテン的符号がより強く感じられます。
夢で構成された自動人形オートマタが奏でるのは音楽ではなく、記憶。永遠に記憶され、誰も見る人がいなくても繰り返し演じられる記憶の無限回路。
この彼(別のショートフィルムの画像)はこの映画では斧もって大活躍??クエイ兄弟のお気に入りですね。
映画オフィシャルサイト。こんなサイトまで作っていただいて・・・・(涙)これもUKイヤーのなせる業。
ピアノチューナー・オブ・アースクエイク オフィシャルサイト
音の響きが忘れられないタイトルで。
この作品、面白そうですね。
ストップ・モーション・アニメと実写が絡むというのは、なかなか難しそうだけど、クエイ兄弟とテリー・ギリアムなら期待できますね。
オートマタ、ラテンアメリカ文学、マグリット…そそるキーワードばかりです!
>「ベンヤメンタ学院」って、たぶん観たことはないんですが(笑)
>音の響きが忘れられないタイトルで。
「ベンヤメンタ学院」なんじゃいそのベンヤメンタって・・・
とおもいつつ、妙に印象に残る響きです。
>この作品、面白そうですね。
>クエイ兄弟とテリー・ギリアムなら期待できますね。
ファンの間では絶賛の嵐な様子です。
今頃公開されるのは日本くらいです。
テリー・ギリアムはお金をかき集めただけで、クエイ先生、自由にやってください、と
一切作成に関わっていないそうですが・・・
面白いかというと、「アート」ですから、正直言うと面白くないかもしれません(笑)。
普通の映画のつもりで見たら何がなんだか判らない映画ですねぇ。
>オートマタ、ラテンアメリカ文学、マグリット…そそるキーワードばかりです!
ポーやらコクトーやら幻想文学やらの妖しい香りがしますよね~!
大体、斧持った人形がケラケラ笑うんですからね・・・こわいよう
そしてこの人形がクエイ兄弟のお気に入りのいつもと同じ人形なのが笑えます。
すぐptdさんの顔が浮かびました~♪
顔は知らないんですけどねw
ptdさんの所で紹介されてる映画は
見たいと思ってるのが殆どで、
見てからじっくり読ませて頂きますねw
これもこっちには来ないだろうなぁ。。。
ただいまシガーロス日本公演初日から帰ってまいりました。
いやー、人気ありますね、ホールほぼ満員でした。
>映画のことを知って、
>すぐptdさんの顔が浮かびました~♪
どんな顔が浮かんだんでしょうね!!
まあクエイ兄弟のファンといったら日本では私くらいですからね(そんなことない・・・)。
>ptdさんの所で紹介されてる映画は
>見たいと思ってるのが殆どで、
それは光栄なのですが、これは、どうでしょうか・・・かなり特殊です。
東京と大阪、京都で上映されるらしいです。
というか、上映されること自体が驚きですねぇ
ファンの私が一番びっくりしてますよ・・・
一見は百聞にしかずですから、もし見る機会があったら、ぜひ。
ではでは~