大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

訴訟原告団と国が基本合意

2010年01月10日 | ノンジャンル
 我がスタッフのHさんは自立支援法違憲訴訟の原告団71名の中の一人です。

 マスコミでも大きく報じられましたので、皆さんご存じの通り障害者自立支援法は廃止してH24年8月までに新しい法律・制度を当事者・関係者に参加してもらい意見・要望を聞きながらつくるという基本合意が訴訟原告団・弁護団との間で行われました。
 詳しくは我が同僚のS氏のブログ「事務局長のつぶやき」をご参照ください。国が、「違憲訴訟を提訴した原告らの思いに共感し、これを真摯に受け止める」と表明し、自立支援法について障害者の尊厳を傷つけ多大な困難を押しつけたことへの謝罪と法の廃止を表明したこと、新しい法をつくるのに当事者・関係者の参加をすすめること、応益負担は廃止することを約束させました。国が憲法に立ち返り謝罪し、文書で期限を区切って意思と計画を示したのはこれが初めてです。

 とりあえず、関係者の皆さん、そしてスタッフのHさん、ご苦労様でした。ぽぽろには多彩なスタッフが参加されていますが、私は原告の一人としてHさんが訴訟に参加され、スタッフの中で多忙であってもぽぽろの活動(子育て支援教室を担当)を支えていただいていることに誇りを感じるものです。

 とりあえずと書いたのはまだ何も決まっていないし、残された課題はたくさんあるからという意味です。「当事者・家族・関係者が立ち上がって声をあげなければ何も変わらないし、負けないでたたかったからこそ画期が開けた」ことを確信にしたいものです。

 4月から非課税世帯への利用料は無料になります。原告を構成した障害当事者・家族は実質的に「応益負担」がなくなります。しかし、児童については児童福祉法で親に「愛護」義務が課せられ、親の収入が利用料算定の基礎になりますから、4月からは非課税世帯のみが無料で、アトの方は変わりません。ぽぽろでも該当する方は1割未満です。ですから、子どもだからこそ無料化は当然!(合意文書の中に法・制度見直しの「論点」としては組み込まれている)という声をもっともっとあげなければなりません。法の見直しをすすめる国の検討会のメンバーに児童分野の代表が入っていないということなのでなおさらです。そして、「自立支援医療」の問題も残されています。
 いずれにしても、これからの児童分野のとりくみはきわめて大切です。「放課後型デイサービス」の問題も、廃止される自立支援法をベースに考えるのではなく、本当に子ども・家族の生活実態とねがい、事業の実態と役割から、いい制度をつくっていかなければなりません。

 金曜日に行われた障害児の保育・療育分野の共同の学習会でも幼児・児童分野の遅れた実態と課題、新たな意気込みでの取り組みの必要性が浮き彫りにされました。これも、「事務局長のつぶやき」でも写真入りで報告されています。110名もの方々が参加しました。ぽぽろからも、学童が終わってから5人が堺市のこの学習会に駆けつけました。

 いつも、実践にドラマを!ドラマがあった!と書いてきたブログですが、運動にもこんなロマンやドラマがあるのですね。頑張りましょうね。
 昨日から明日までの3日間、「障害児学校・学級全国学習交流集会」が大阪で開かれています。記念講演はぽぽろ応援団の白石正久先生。実践・授業づくりや実技、制度、運動など盛りだくさんの企画です。私は昨日は児童デイで参加できませんでした。今日は明日の最終日・午前にある第1フォーラム「子どもは学校の主人公」の打ち合わせです。私(パネリスト4人の中の一人)への要請は「地域の教育相談の経験を踏まえ、父母が学校に期待しているもの、学校の課題、学校づくりの展望を語る」という壮大なもの。何と1000人を越える全国の先生方が参加されているとか。大阪の父母・関係者も参加しています。ちょっと緊張しています。

 次のブログテーマは流行りの「ぽぽろ自転車学校」、「ぽぽろ泥だんご教室」と続きます。乞うご期待!