人類遺産
ニコラウス・ゲイハルター監督
かつて人間の手によって作られ利用され、やがて人間の都合で放置され、朽ちゆく世界の「廃墟」
そこには人物は一切登場せず、音声、音楽も流れない。
それでも最後まで見続けてしまう圧倒的な映像美とメッセージ。
画面が変わりハエの飛ぶ音がして、ゴミ廃棄場の映像が流れる。
もしかすると不法廃棄なのかもしれない。
半透明や黒のゴミ袋が乱雑に積み上げられている。
ポリ袋は紫外線と風や雨により破れて中のゴミがあふれ出ている。
中のゴミもプラスチックで色とりどりだ。
世界各地でプラスチックごみが投棄され、また埋め立てられている。
未来にまた石油に戻ればよいが、残念ながらそうはならない。
埋め立ての際に土壌汚染を防ぐためにシートを敷いているらしいがそのシートもプラスチック素材だろうから、ゆくゆくは細かくなりプラスチックの添加剤が土壌に染み出ることになるだろう。
プラスチック汚染といえば海洋汚染に目がいきがちだが、土壌も汚染されることだろう。
プラスチック問題は今後長い期間、人類が取り組むべきテーマになる。