巻頭写真 : 旧市街を囲む城壁に建つ「シャトー・ド・レルミタージュ」と外堀公園
荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
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モルビアン湾を
島々を躱わしながら
四方八方から飛び出してる岬を避けながら
北東の一番奥まで入ってきて
最後の小さな枝分かれしている入江を遡ると「ヴァンヌ」だ
『Pont Kérino ケリーノ橋』という可動橋がある
それがぐるりと回ったら
細い運河のような水路に入り
北にまっすぐ1kmほど遡ると
「ヴァンヌ」の旧市街の正面にたどり着く
ここの写真の左奥が突き当たり
対岸は上陸地点
この界隈は非常に賑やか
露天市が立っていたり
カフェがお客で鈴なりだったり
ところで水路をやってきて突き当たりを見てみると
正面の白い建物の真ん中あたりが黒っぽい部分がお分かりだろうか
それが勝手の城門
『Porte Saint-Vincent サン・ヴァンサン門』
この門を入るとすぐ旧市街が始まるのですが
外(港側)から見ると見事な細工ながら
くぐって内側から振り返ると
何の愛想もないという
実に外面の良い城門なのであります
その旧市街の魅力満点の家並みを見ていただく前に
城壁をご紹介しなくてはなりません
「サン・ヴァンサンの門」を潜らずに向かって右に城壁に沿って行くとほどなく
『Château de l'Hermitage エルミタージュ城』
この光景となる
逆向きに見ると
この城は14世紀にブルターニュ公の居城の一つとして建てられ
その城から城壁がぐるりと町を取り囲んで防御していた
15世紀半ば公国がフランス王国に併合合併されて独立をなくして以降
打ち捨てられて廃墟となり
17世紀に略奪破壊された
現在の建物はその後の裕福なと日の貴族が革命直前に立て直したもの
城壁の外側の空堀の位置が城の前は庭園であった
その中ほどを
港につながる小さな小川『La Maeie マリィ川』が流れる
城内は完全に修理されて何もない真っ白な空間で
展示会や各種イヴェントに使われている
この写真の一番下の花を飾ったて金属の手すりは
「マリィ川」を渡る古くて小さな石の橋の欄干
橋の向こうに見えるのが「エルミタージュ城」
その橋の下をくぐった流れは急に広くなり
岸辺に保存されている昔の「共同洗濯場」の細長い屋根が伸びる
洗濯場の屋根
二階部分は「井戸端会議」に打ち興じたおかみさんたちの溜まり場
ででもあったか
そして
洗濯場の位置から流れが大きく曲がってきたに向きを変える
そこから先の空堀はかなり広くなる
長く伸びる城壁のひときわ大きな丸い塔は
『Tour de Connétable 元帥の塔』と」名付けられている
上の写真は南から北側の面を見ている
真横
横を通り過ぎて振り返った北側の角度
城壁の内側から見た「元帥の塔」
この辺りから「マリィ川」は東に向きを変えて道路の下に隠れる
流れとは逆方向に見て来たわけですが
つまり
川はここから空堀の中に入ってきて
今までのところを流れて港の直前でまた地面の下になって
港に注ぐわけです
この「マリィ川」の手前から「元帥の塔」の方を見ると
こんな具合に見える
少し立ち位置を変えたり
目の高さを変えたりすると
同じ城壁でも見え方がかなり違って見えるので興味深い
空堀公園の北のはずれの一番広く広がっている地点で
写真の角の塔から城壁は向こう側(西)にほぼ直角に曲がっている
この辺りの壁面の写真手前あありを目を凝らしてよく見ると
部分的に赤いレンガが使われているのを確認できる
これは古代のローマ時代の城壁の名残なのです
ローマ人は石積みの壁にレンガの赤い色のラインを入れて見栄えを良くし
かつ石の使用量も抑えて節約していた
その先に
数軒の民家とともにもう一つ城門がある
『Porte Prison 牢獄門』
なにやら恐ろしげな名前の門だが
おそらく塔の分厚い壁をくりぬいて牢獄が作られていたのだろう
右の馬車と甲冑を纏った騎馬隊とが通る大きな開口部と
左の細くて狭い歩行者用のと
ともに跳ね橋を渡って入っていったことが
跳ね橋を上下させる腕木が動く細い縦長の隙間から見て取れる
例によって
内側から見ると味もそっけもない作りになっている
もう少し違う角度の城壁を続けましょう
もっと別の城門もあります
『Porte de Calmon カルモンの門』
この城門は
上部のかなりの部分が何らかの理由で削り取られてしまっている
お祭りの日には
もの凄い人出が城壁の下に詰めかける
そして
城壁の上も歩けるところがある
ヨーロッパには城壁で囲まれた古い町や村が数多く残っていて
多くの場合
城壁の上を歩けるので「城壁一周ツアー」をやることを
強くお勧めします
目線が変わって面白いし
興味深いものを見かけることができる場合が多いんです
では「ヴァンヌ」の街の中のご案内は次回に
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