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ブルターニュ紀行 21 < カンペール から南下 > 西ブルターニュの首都から いよいよ南ブルターニュへ

2021-03-19 00:32:20 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : 西ブルターニュの首都カンペール

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文化と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
21


ブルターニュには主要都市が三つあります
2つは半島のうんと内側
南北の中央部に『Rennes レンヌ』
南部に『Nantes ナント』
そして半島西端に寄ったところに『Quimper カンペー(ル)』

先の二つの都市は
地政学的に中近世の大諸侯「アンジュー家」の領土に接し
多かれ少なかれ王室にもつながる中央文化の影響があり
カンペールは生粋のケルト人ブルトンの都
と言いたいが
今の時代の都会は個性を急速に消していくので視覚的には大したものはない

『Cathédrale Saint-Corentin 聖コランタン大聖堂』

ただ大聖堂だけは
絵に描いたような定石通りのゴシック様式


ただでさえ天に向かって伸びるゴシックが
ブルターニュに来ると(隣のノルマンディーもそうだが)より
尖塔が細く且つ高くなる


西側正面ポータイユのオーナメントも完璧に仕上げられている
全体は明るい色合いの花崗岩で
三重の縁取りの天使と聖人たちのそれぞれの天蓋が
黒い石で作られている


内部も実に端正


身廊部と内陣とで角度が違う
これは意外とよくあることで
教会は通常内陣から作り
そこだけを臨時の壁で締めきって「献堂式」を行い
教会として使いながら
横軸である翼廊を作り
その後残りの縦軸である身廊を作って
最後に西側正面ポルタイユ(玄関口)を開ける
それぞれの段階で
資金的経済的状況で中断することが多いが
建設予定の敷地の構造や地盤の問題で一直線にできなかったことは
意外と各地の教会に見られる


街の中を『オデ川』が流れる

『Préfecture du Finistère フィニステール県警本部』

その川岸に県警本部がる
この「Préfecture プレフェクテュール」を日本では県庁と訳すが大間違い
フランスで「県」は「Departement」
「Prefecture」は警察庁県管区



ルイ11世の時代の城跡を20世紀初頭にフィニステール県警察本部
を置くことにして
コンクリート補強で全面的に改修したもの

『Musée départemental Breton 県立ブルトン歴史博物館』

展示物を一つご紹介しよう

『Croix de l'Eglise de Glouesnac'h グルゥエスナックの教会の十字架』

近郊の村『グルゥエスナック』の教会
『Chapelle Saint-Cadou 聖カドゥ礼拝堂』のカルヴェールの
ユニークな彫刻を施された十字架
磔刑のイエスの素朴な表現が素晴らしい

中心部は賑やかだが地方色はほとんど感じられない
少し離れると静かになる


西ブルターニュの中心都市だけに
祭りの時は旧ブルターニュ各地域ごとの衣装で行進が行われたりする




街中を流れる『L'Odet オデ川』を下流に辿ってみよう
街のすぐ南に
旧カンペール大司教の夏の離宮だった城がある

『Château de Lanniron ランニロン城』

Photo by @GoogleMap

「カンペール」の南を出た「オデ川」が直ぐ胃袋のような形の湖ように膨らむ
(しかし湖ではなく川のまま)
その上の「L字型」も曲がってるあたり左岸にこの城はある

その「胃袋のような」膨らんだところからさらに下流に下ると
『Gouesunac'h グゥエスナック』村(地図参照)に
上の「ブルトン歴史博物館」の展示品の十字架があった教会
『Chapelle Notre-Dame de Vray Secour』がある


『真実の救済の聖母礼拝堂』

博物館の十字架はここのカルヴェールだった
この村には
他にも魅力的な小礼拝堂が複数ある

『Chapelle saint-Cadou 聖カドゥ礼拝堂』

『Oratoire Saint-herbot』

同上礼拝堂アンクロー内の『聖エルボ祈祷所』

同 祭壇ルターブル

同 Fontaine


さらにもう一箇所

『Eglise Saint_pierre de Gouesnac'h グゥエスナックの聖母教会』

ここは「礼拝堂」ではなく
この村の教区教会

同 正面

同 聖母子像

風化が激しいがなかなか素朴で良さそう

同 カルヴェール

※  ※

そのままオデ川に沿って海まで下ると
『Bénodet ベノデ』
という町に至る

オデ川の河口に現在は橋がある
昔は政治的・防衛的戦略から上流に引き返して限られたところからでなければ
渡れなかった

『Pont de Cornouaille コルヌアイユ(コーンウォール)大橋』

この橋を渡るときの光景がこれ

上流側に向いて

下流側に向いて

ここ数日来の訪問地の写真から
北側のブルターニュと光線の具合がお分かりになるだろうか
大西洋に向いたブルターニュは
明るいのです

町の教会ももちろんあるが
例によって周辺の集落に美しい礼拝堂がある

『Chapelle Sainte-Brigitte de Perguet ペッゲの聖ブリジット礼拝堂』

同 アンクローの勝利の門



オレンジ色の硬い玄武岩でメジャーな彫刻家もいなかっただろう
16世紀のこの町の親方の素朴な彫刻が素晴らしい



カルヴェール 表

カルヴェール 裏

それもともかく
この町は「オデ川」に沿ってお城がたくさんあります

まず『Châteua de Kériolet ケリオーレ城』



































※  ※

次に『Manoir Lerzan レーザン屋敷』

ここは「オデ川」の対岸







『Salon de Madame Astor アストール夫人のサロン』

『Le Grand salon グラン・サロン』

『La salle à Manger ダイニング・ルーム』



※  ※

その他にも

『Château de Perennou ペレンヌゥ城』

同 正面側

最後に

『Châteu de Kerouzien ケルジアン城』

一回の投稿の容量制限でお城の説明は割愛させていただきました
=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =
ご意見ご感想を是非およせ下さい
旅行自体に関心のある方は以下のサイトにもどうぞ
https://veritas21.com  『こんな旅がしてみたい 誰も真似の出来ない旅のプランナー』

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