想い事 家族の記録

難病の父と生きる
鬱病
ふたり暮らし

遅々としても春は来る。

2012-04-19 18:06:11 | 日記
〔父 泌尿器科〕


朝。
もうだるくて起き上がれない!

娘に何を言ったのか記憶もないが、
起きたら9時。
洗濯物が、廊下に置き去り状態だった。
妹がギリまで格闘した様子。

あああ、やってしまった。
今日これから病院で、
明日から三日間、カメラの現場800人超え!
できるの?!
大丈夫なの?!

でも、やらないわけにもいかず、
とりあえず、泌尿器科に行った。

ダンナサマ、血を抜かれ、
待つこと一時間半。
血液検査の結果など、一言もふれずに医師は、
薬を増やすことだけを告げた。



ここで何故、わたくしが血液検査のことを突っ込まないのかと、
大方のひとは疑問に思うだろう。
私も、疑問だ。


何故、聞かない


いや、もう疲れ果てて、
口もきけなかったのさ…。
医師の声が、遠くに聞こえて、
何一つ届いていなかった…。
早く帰りたいと、思っていた。
そして、できたら父をこのまま入院させてくれと、願っていた。
医師の口から、「入院して下さい」と出るのを、
全神経集中させて聞いてたけど、
それ以外は、

上の空。




わたくしは、何をしていたんだろう…。



家に戻って、
近所のコンビニにパンを買いに行って、

近所のモクレンがきれいに咲いているのを見て、
信号渡ろうとしたら、
救急車が来たんで、渡らないで待っていた。
モクレンをぼんやり見ていたら、
「ご協力、ありがとうございます」と、救急車が言って、

その時、
頭に響いてきた声。

母の。
「ショウ、お父さんが入院するときは、救急車を呼ぶ時よ」

ああ、そうか。
と、想ったのです。
その瞬間、腑に落ちたのです。
わたくしは、何と愚かなのだろう。
何のために、あの部屋を作ったのか。
何のために、頑張っているのか。

こうして、花を見やっては、小さな幸せを、
少しでも多く、父と見つけて生きたいんじゃなかったのかと。








庭の植物たちは、
遅くても、少しずつ春という季節に向かっている。
今は水仙が見頃で、


桜は、まだ先。
でも、確実に進んでいる。

私が止まらなかったら、救急車は止まっただろうが、

時は、何をしたって止まらない。
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