試練

〔いつもの朝〕


五時起床。
とりあえず、内職。

やっと九月が終わった。
でも闘いは終わらない。

こんな生活４年続くのだろうか。
今は成し遂げるという、根拠のない自信に満ちている。
４年後には、ミオをこの村から旅たたせる。必ず。
そして、彼女が結婚する前夜に、どうしても渡したいものがあるのだ。
それを手にするまでは、負けない。



〔気性〕


ミオは至って静かな子だが、
妙に我慢強い子だ。
埼玉のおかあさんもそれを心配している。
「じっと我慢しちゃうから」昨日は涙声だった。
「ショウちゃん、しっかり見てあげてね‥」

ああ、このおかあさんも、私は守ってあげないとって、想うのだった。

愛する人が、哀しむのはもううんざりだ。
愛するひとを想うと、何故涙が出るんだろう。
私は心を病んでから、すっかり泣き虫になったけど、

これでも、昔よりはたくましくなってるよ。
そうさせてくれたのは、

やはり、愛するひとがこうしていてくれるからだ。
その人の涙なんか見たくないと強く望む。
笑顔に向き合っていられることが幸せなんだと気づいた。

ありがとう。
勇気をもらってる私の方が、きっとみんなより幸せ。
私がそれでいいんだから、きっと間違いなんかじゃない。

誰も気づいてくれない

〔暗闇の中で〕


午後六時過ぎ。
ミオがふわっと帰ってきて、なんか様子が変だった。
「転んだ」と一言。
「ちゃんと消毒して」
私はキャベツを刻みながら。「うん‥」

数分後。
ミオが突然、うわああああ！！と泣きながら飛び込んできた。
「転んで、手が‥手が‥！」

両手がダランとしていた。

両手首、骨折。

マジでか。

ミズキが左腕にひび。
ミオが両手骨折。

なんの試練ですか‥。



〔誰も知らないけど〕


今日は、ミズキもミオも病院で、
妹も私も休みで、
昼過ぎに子供たちを置いて、野暮用に。

妹は、父が乗っていたガイアの維持費に悩んでいた。
父は自分が運転しなくなってから廃車にしようとしてたけど、
車椅子乗せて病院通いとか、
雪国での冬には欠かせない車で、

もう色んな理由があって手放せなかったのだ。
で、結果二台の車を管理することに行き詰った妹は、
今日税務課に出頭。

結果、給料日を押さえられ、納税を余儀なくされた。

誰も知らないけど、
私たちは、上田の町なかで、少し辛い目に遭っていた。



〔父のお金で買い物〕


もう私の残金は三桁切っていたんで、素直に父に告げた。
「もうお金がないのよ」

でも、父は薬味の唐辛子とか、
頑丈なサランラップとか、
およそどうでもいいことにこだわるのだ。

だから、言っておかないとね。
味噌を買うことに何の疑問も抱かないババアのように、
わからずやでは困るのだ。

そんな訳で、父のお金をもらって、
税務課の帰りに買い物した。
その帰路の途中でもう一回子供らの病院に寄る。

学校の保険が下りると言っても、医療費は一時立て替え。
Ｋ君に振りこんでもらったお金で会計を済ませ、
気づくと、鎮痛剤が処方されてないし！！

請求書見ると、
画像診断に５０００円近くとって、
ミオの両手には添え木もなし。鎮痛剤もなし。

どういうことよ？！

薬局で騒いでいる私と妹のところに、
担当看護士がきて説明。

骨折と言っても、子供の骨は大人と違ってボッキリとはいかないのだそうだ。
今回のミオの状態では固定するとかえって動かない手になってしまうのだそうで、
また、「痛い？」という医師の質問に、
ミオは「痛くない」と答えていたことから、鎮痛剤はなし。
湿布から直に鎮痛作用のある薬が出るそうで、
結果痛みに対応しなかったわけではなかった。

ってか、説明しろよ医者！

看護士のひと優秀すぎて、もう怒れない。


ぐったり帰ってきたけど、
父には「怪我した子供を放置し、親の金で夕方遅くまでショッピングを楽しんできた
どうしようもないバカ娘たち」にしか見えないのだろう。

ミオが骨折して２４時間経過。
昨日の今頃、ミオはこんな暗闇のなかで独り耐えていたんだと、想う。
いつも、私にも涙を見せないミオが、
久しぶりに泣きながら戻ってきた暗闇。

ここに、私がいてよかった。

明日、学校職員がこの家にくるそうだ。
私は埼玉のおかあさんに事の顛末を告げ、

今日も眠れそうにない。

幅を拡げる

〔内職的な〕
　

アンケートの作業も、すっかり慣れてきたんで、
昨日はもう１０社ほど会社を増やしてみた。
もちろん、加入する際は慎重で、
色々リサーチしながら。

で、昨夜は興奮したのか眠れない。
朝になったらもの凄い数のメールが来ているんじゃないかという、
不安と期待で。
頓服を二倍飲んでようやく眠りに落ち、

午前４時、起床。

メール‥あれええええ、来てないよ～。
登録確認のメールは片付けて、
あとはアンケートメールが来るのを待つのみ。

お堅いアンケート会社を選んだからかな。
まあ、このほうが安心といえば安心だ。

昼過ぎになると、
何件かメール受信してました。


頑張らねば、なのだ！



〔味噌を侮るなかれ〕


ババアが妹に、
「お父さんに味噌汁くらい作ってやりなさいよ」
と言ってきたらしい。
先日、インスタントの味噌汁が気に入らないと騒いだんで、
「今、家に味噌がないから、弁当屋からインスタントのもらってきて、
姉ちゃんがひと手間かけて出しているんでしょうが」
と、返すと、
「味噌くらい買いなさいよ」
「買えないからインスタントなんでしょ？」
「味噌なんか２００円くらいのものでしょう？」
「その２００円がないんだってば」

すると、ババアは突然話題を変えたらしい。
このひと、困ると突然話題を変えるのだ。

悪かったな。
味噌ならもう買ったぜ。


しかし、父の生保の残高確認と、
ちょっと早い資金繰りに銀行に行って、びっくり。


通帳の残高、限りなく透明に近いんですけど！！

神様、これって何の試練ですか？
月が変わっても、私の通帳にお金が振り込まれるのは、

二週間先だー！！！

味噌なんか買うんじゃなかった。
味噌ごときになんて発言するなら、２００円くれればいいじゃん。
銀さんだって３００円くらいはくれるわ！

いっそ味噌を作ってやろうかと思ったが、
庭のバジルとローズマリーの保存法を調べなきゃ。

でも、先日、新月にお財布浄化したから、
きっと平気よ～。
なんか怖いものなしだわ～。

油断

〔日焼け地獄〕


ようやっと涼しくなったこの時期に、

日光にやられた！！

運動会で顔を焼かれ、
顔はパンパンで、内にこもる熱をうまく出せなかったようで、
二日間ほど熱が３８度台に。
唇がとにかく痛くて、
うなされながら寝ていました。

が、仕事も家事もしてましたよー。
家事は少し手を抜き、
父の配膳は子供たちに任せ、


って言っても、
ミズキは怪我してるし、
ほとんどミオがやってくれました。
おかげで私は寝れたんです！　感謝！

唇の痛みに耐えられず臥せってしまう私。
人間どこが痛くとも、ダメですね。
健康はありがたい。
健康に勝るものなし。
貧乏でも健康なら、

食べられる雑草を調べて探しにいけるじゃないですかー！

今日は休みで、内職の日です。
昨日も一昨日も臥せっていたせいか、
父は機嫌が悪いです。

疲れ

〔昨日は〕


座って見ていただけなのに、
消耗が激しく、

今日はほぼ一日寝ていたよ。

昨日はババアが来て一日一緒にいた父が、
朝から機嫌が悪く、
一日私を呼ばなかった。

妹伝に、
私の料理が気に入らない父の本音を知って、
もう、なんだかね、嫌になってきた。
米もまずいらしいし、
インスタントの味噌汁出したら怒るし、
（またそれを私に言わないし）


‥私に対して、色々ご不満があるようよ。
言ってくれればいいのに。
陰でぼろくそ言われた方が、傷つく。


〔日光で負傷〕


昨日の残暑の照り返しで、
顔が腫れあがってしまった。
特に唇。もうまさにたらこ。
痛いのなんの‥。

また明日から、闘いが始まる。