思えば、どのくらいのガソリンと時間を消費し、これまで走って来たのだろう。
若い頃は、目的もなく疲れるまで走り続け、疲れたらベンチなどで横になってはまた走った。
歳を取った今、目的や理由がないとオートバイを触らなくなっていることに気がつく。
オートバイに跨り走り出すと、それまでざわついていた心は真夏の内海のように凪ぐ。
それだけは、今も昔もあまり変らない。
他のライダーはどうだかは知らないが、走行中、頭の中は空っぽである。
走ることに使う思考以外、他の思念は一切入り込むことを許さない。
路上の上。
私は在りつづける。