PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

精神保健福祉士法改正案、廃案

2010年06月17日 09時12分38秒 | PSWのお仕事

あわただしく総理大臣が替わって、いよいよ参議院選挙へ。
1月からの、会期150日間の通常国会は、延長されることなく閉幕しました。

いろんな法律は、衆参両議院で可決されると、成立して公布される訳ですが。
国会が閉会になると、衆議院に提出あるいは審議中の法案は、次回国会に継続審議になります。
一方、衆議院を通過し、参議院で審議中であった法案は、審議未了のまま廃案になります。

障害者自立支援法暫定改正法案は衆院で可決し、参議院に送られていました。
参議院での委員会審議も終わり、本会議での採決に入る段階で、総理大臣が替わりました。
所信表明演説やら内閣不信任決議やらで、審議は止まり、あらゆる法案が店ざらしのまま。
結局、会期末の16日、参議院は本会議を開催しないまま、国会閉会となりました。
あと1日あったら、法案がいくつも通っていたんでしょうけど…。

さんざん物議を醸した、障害者自立支援法の廃止に伴う新法制定までの暫定改正法案も、廃案。
これに伴う、児童福祉法改正案、精神保健福祉法改正案等の関連法案も、廃案。
参院選後の9月からの臨時国会で、再上程されるのでしょうが、どうなりますことやら…。

PSWが国家資格になる時も、継続審議になったり、廃案になったり、すったもんだしました。
政治の世界は一寸先は闇、一般庶民の思い通りには進んでくれません。

今回、その精神保健福祉士法改正案も含まれていた訳ですが、同じように廃案。
ご存じのように、新養成カリキュラムへの移行が盛り込まれた法案でした。
社会福祉士に続いて、精神保健福祉士の養成課程が大きく変わるはずだったんですが…。
2012年度新カリキュラム移行は、どうなるんでしょう??

聞くところでは、カリキュラム見直しに向けた省令通知等は、継続して検討されているとのこと。
法改正となってもならなくても、霞ヶ関の官僚達は、作業を進めているのですね。
立法府である国会は、儀式だけになってしまっているような…。
既に周知されている検討会報告通りの、新カリキュラムが施行されることになるでしょう。

ただ、法改正の日程がずれ込んだことによる、施行期日が問題となります。
でも、2012年度移行を、さらに1年延ばすということは考えにくいのではないでしょうか?
社会福祉士とのズレが修復されず、不整合の期間を更に延ばすとは考えにくいですし。
移行への準備期間が圧縮されて、養成校が対応にバタバタすることになりそうです。

ただ、これは、あくまでも僕個人の観測です。
どうなるかなんて、誰にもわかりません。
なにせ、一寸先は闇の世界ですから(笑)

以下は、あくまでも廃案になった精神保健福祉士法改正案の骨子です。

◆精神保健福祉士法の一部改正法案

◇ 一 定義規定の見直し
精神保健福祉士の業務として、障害者自立支援法に規定する地域相談支援の利用に関する精神障害者からの相談に応じることを明確化する。

◇二 精神保健福祉士の養成に係る制度の見直し
精神保健福祉士試験の受験資格を得るために修める必要のある精神保健福祉に関する指定科目及び基礎科目について、文部科学省令・厚生労働省令で必要な基準を定める。

◇三 義務規定等の見直し
精神保健福祉士は、保健医療サービス、障害福祉サービス、地域相談支援に関するサービスを提供する者等との連携を保たなければならないこととするとともに、業務の内容の変化に適応するため、相談援助に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。

◇四 その他所要の規定の整備を行うこと。


※画像は、国立病院機構東京病院の前庭。