エッシャーの絵は「不思議な絵」として児童本にも沢山引用されたり、いろいろなデザインに流用されたりして多くのひとが知っているのですが、大学の心理学の授業で教材としてもしばしば用いられています。
ペンローズが「無限階段」や「不可能三角形」を錯視として心理学の雑誌に載せ、それが契機でエッシャーがそうしたモチーフの絵を描くようになったという因縁があるようです。
「天使と悪魔」の絵も知覚心理学の領域で、多義図形、図と地が反転する図形などのひとつとして教材になることがあります。
白い部分が図になって前景になり黒い部分が地になって背景に引込めば天使が対称に配置された図案として知覚されるが、逆になれば悪魔の図案になる、と。
もう一つ大きな特徴は、中心の図は大きく周辺は次第に小さいフラクタルになっていて、いわば円形の地平線に囲まれた世界を表していることです。
ある本が、この特徴に着目し反ド・ジッター空間の説明に使っていました。
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