老化と病にどう付き合うか
私は、心臓バイパス手術をしていらい、9年目を迎えます。毎食毎に10数種類の薬を
飲んでいます。二週間にいちどづつ往診と薬を頂きながら生活ですが、毎日元気で仕事等
をしています。あえて言えば、両脚の血管を一本づつ切り取ってありますので、特にマイ
ナス気温になる冬場には足が冷え、靴下を二枚重ねて履いても苦痛を感じます。それも春
になって来ましたから冷え方は小さくなっています。まだ靴下は二枚のままです。
そしてね今年の二月に突然左耳が聞こえなくなってしまいました。突発性難聴というこ
とですが、耳鼻科で薬を処方して飲んで1カ月たちますが、聞こえないのは解消されていま
せん。そのため電話での応対には馴れないため不便を多少感じますが、慣れてしまえば、
老化現象の一つだと諦めてこのままの状態で行くのだろうと覚悟を決めています。
北国も雪解けが進み草木は青葉を芽吹きはじめ、良い季節に良い季節になったいうのに、
陰きくさい話になりましたが、老化と病にどう付き合ってゆくかということがどうしても
感心の中心になってしまいます。
人間は生物でありますから命には限りがあります。その自然の営みにより歳とともに老化
が進み、突然に病に見舞われます。この事実をどのように受け入れ、向き合うかが高齢者の
定めでありましょう。
老化なり病は自然な成り行きで順調な推移と受け取り、「おお来るべきものが来たな」と
受け止めてこれは人間として順調なことだと思うようにしています。もちろん最後の時を
思えば恐怖心も少ながらずありますが、極端に狼狽えたり、嘆いたりすることはない心構え
が少し得られていると思っています。一種の覚悟が必要ということでしようか。
作家で尼さんであった瀬戸内寂聴さんが書物「老いも病も受け入れよう」で次の様に言わ
れています。
・私のように陽気な人間でも、病(ガン)のために、欝に負けそうになりました。
・病のおかげで、自分の一番大切なこと、やりたいことが、はっきりしました。
・病気の人の苦しみを身をもって味わえと、観音様さまに与えられた痛みだったのでしよう。