祖母の力・・・年寄りの役割
老人という言い方より、年寄りといった方がまだ世の中の役に立つという要素が含まれて
いるように感じます。
年寄りというものはある種特別な存在だと思うのです。その特別さは、何かを行うからと
いう理由であるとは限らない。
幼児は時にボッ-として何かに取り付かれたように一点を見つめる時がある。大人と出か
けると必ずといっていいほど「さっさと歩きなさい」と叱られている姿を見ることがありま
す。何かにボッ-となって立ち度まってそれを眺めているのです。母親から急かせられ、時
には叱られる幼児もいます。ところが祖母は、そうなっても叱りません。
暫くすると祖母も立止って、一緒に待っていてくれます。暫くして「もういいかい」と言
って手を繋いで歩きだします。また、幼児が何かを見つけて「見ていてもいい」と言えば、
祖母は好きなだけ見てもいいよと言ってくれます。ただこんな風景でも心が和みます。そし
て幼児は「自分で何かを発見する」このことは実に大切なことで幼児の自主性の基礎になる
のではないかと思うのです。
「愛情というのは、介入しないことかも・・・」です。介入せずに保護しているだけで、
幼児は時と共に子供になりそして、自主性のある大人に成長するのではないだろうか。ここ
に年寄りの役割があると思う。80歳直前になって町の風景のほんの一部の人の在り方から、
反省心と大切さを感じました。