今、これを目にしたニートへ【元ニートの休日】

【休みの日】

今日は休日。バイトがない。昨夜から、それだけで頭がうわんうわんする。どうしようどうしようと繰り返す。履歴書を書く。求人情報を見る。どうにもなりそうにない。昨日と同じ情報しかない。職安に行きたいけれど遠すぎて行けない。早朝から歩いていけばなんとかなるのに行かないのは怠惰だと怒られるだろうか。脆弱だとなじられるだろうか。
足の指先が震える。この24時間がもったいない。働けばいくらかにはなる。とはいえ、四時間重いカートを引っ張って走り回りっぱなし、立ったり座ったりの上下運動しっぱなしの品出しで膝も腰も重い。重いだけではなくいよいよ腰痛が深刻化しそうだ。日々数百近い商品の消費期限チェックと値引きシール貼りで指先と目もむくむ。休まなければもたない事実。そう思い休めば内臓が白茶けるほどの痛みに襲われ眩暈に苛まされる。
身体の休みにはなっても精神はすり減るだけ。
何をすれば気分転換になるのだろうか。仕事しかないと知っている。せめて八時間、フルタイムで働かせてもらえての休日なら、多少安楽に休める。多少なりと好転するだけの収入が得られるからだ。現状、なんとか生活が維持できているようでも実は先細っている。七万弱。七万行かない月もある。それ以上の収入、がどうにもならない。
さっき、訪問者があった。全身から汗が噴き出した。各種支払いはそれなりに滞ってはいないし、滞ったものは連絡を入れて次に回すなどの対処をしてあるはず。それでも怖い。訪問者が怖い。足音が怖い。日中、部屋にいることが怖い。
かといって明日になればまた、過ぎた時間に恐怖する。一日過ぎる度に俺の状況は悪くなる。一切の好転はない。
これが、元ニートだ。ニートだった人間の暮らしだ。