用事で市役所に出向いた際、玄関脇にタイサンボク(モクレン科モクレン属)
別名・ハクレンボク・トキワモクレンの樹に蕾が付いて居るのを見ました。
既に開花し終わった花からは甘い良い香りがして居ます。
タイサンボクは白亜紀の生き残りの樹木で、花の命名については諸説ありますが
タイサンボクを漢字で表現する場合は『泰山木』『大盞木』ですネ。
泰山とは中国山東省の雄大で神聖な山を指しているとの事。
大盞とは大きな盃の形容です。
タイサンボクは北米南東部原産で、日本には明治初期に鑑賞用・漢方薬として輸入され
牧野富太郎博士は大きな盃型の花なので『大盞木』と名付けられたそうです。
タイサンボクは自然の成長に任せておくと20m~30mもの高樹に育つそうですが
市役所のタイサンボクの樹高は3m程で、市民が観賞しやすい様に、名札が付いており
高樹に育ち過ぎないように強剪定されているのではないかと思われます。
既に開花している花弁の中には、上段に咲いて居る花から
オシベが散り落ちて、受け皿になっています。
タイサンボクの花の中央には円錐状に集まったメシベが立ちあがり
メシベの周囲を沢山のオシベが囲んでいます。
受粉が終わり、花が枯れだすとオシベが落下し、オシベが付いていた軸が(赤色)残っており
覗き込むと花芯の様子がよく判ります。
花は甘く佳い香りなので『マグノリア』と呼ばれているアロマになり
香水や化粧品に利用されています。
また、興味深いので、漢方薬としての薬効を調べてみました。
花は上段から咲き始めるので、木の頂上付近には花弁が散った花芯が幾つも見えます。
この花芯は秋には袋果・集合果(自然に裂けて種を放出する)になります。
私は未だ、タイサンボクの袋果を見た事が在りません。
秋には確かめて記録に残したいと思って居ます。
★袋果(ネットからお借りしています。)