フレッチャー婦人、コーンフィールド婦人、バウム婦人
三人の白髪の婦人方がキャッツスキル・ホテルで息子の自慢話に花を咲かせていた
「宅の息子は医者なんざますの」フレッチャー婦人は言った
「内科医で外科医で専門医なんざます。大金を稼ぎますでしょ
ですから、ニューヨークのパークアヴェニューにマンションを一棟持ってますのよ」
「それはそれは」コーンフィールド婦人は言った
「宅の息子は弁護士なんざます。離婚や事故処理、税金関係に保険関係を扱ってますの
それはそれは成功しておりますでしょう
ですから、五番街にマンションを二棟、所有しておりますの」
「奥様方」バウム婦人の番だった
「そんな大成功を治めている息子さんをお持ちになっていることを誇りに思うべきざますわ
家の息子なんざ、真実を語らなければなりませんわね、ホモなんざますの」
「まあ、何て恥知らずな」コーンフィールド婦人が言った
「で、一体、何を為さっていますの ? 」
「それがですね、何もしておりませんのよ」バウム婦人は答えた
「でもね、幸い息子には友人が二人おりましてね
一人はパークアヴェニューにマンションを一棟所有している医師で
もう一人はマンションを二棟、所有している弁護士なんだとか……」