ランチ自殺・・・神戸生まれの友人、ムケーシュ・ケマニ氏から
3人の仲の良い男が、ボンベイの高層ビル20階にある会社で働いていた。3人はそれぞれケーララ人、ベンガル人、サルダールジーである。毎日彼らは同じ食堂で一緒に昼食を食べる。
ある日、ケーララ人が弁当をあけてみると、なかにイドゥリー*が入っていた。
「俺は、毎日、イドゥリーを食わされるのにうんざりだよ。もし明日も弁当箱にイドゥリーが入っていたら、20階から身投げして死ぬ」
ベンガル人が弁当をあけてみると魚が入っている。
「俺も、毎日魚を食わされるのにうんざりだよ。もし明日も弁当箱に魚が入っていたら、俺も20階から身投げして死ぬよ」
サルダールジーが弁当をあけると、なかにパラーター*が入っていた。そして同じようにこういった。
「もし明日も弁当箱にパラーターが入っていたら、俺も20階から身投げして死ぬ」
次の日、3人は同じように昼食のために食堂に集まった。弁当箱をあけて、イドゥリーが入っているのを見たケーララ人は、すぐさま20階から身を投げて、死んだ。同様に、魚の入っていた弁当箱を見たベンガル人も、そして、パラーターを見たサルダールジーも、20階から身を投げて、死んだ。
翌日、同僚たちによって、自殺した3人の合同葬が営まれた。
そこで、ケーララ人の未亡人は、残念そうにこういった。
「主人がそんなにイドゥリーが嫌いだったなんて。知ってたら、何か別のものを入れたのに」。
ベンガル人の未亡人も
「主人がそんなに魚が嫌いだったなんて。知ってたら、何か別のものを入れたのに」と悔やんだ。
それに答えてサルダールジーの未亡人がこうつぶやいた。
「いったい、何が悪かったのかしら。あの人はいつも自分で弁当を用意していたのに・・・」
注/イドゥリー・・・南インドの代表的な蒸しパン。米粉でできている。
パラーター・・・パンジャーブ地方の代表的な麦のパン。焼くときに、野菜や肉などを中に混ぜるのが特徴。
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