紫外線で室内を殺菌しつくす飛行機のトイレをボーイングが開発、実際に動く様子はこんな感じ
多くの人が使うトイレの清潔さが気になる人も多いと思いますが、スペースが限られている飛行機のトイレならその感はなおさらです。航空機大手のボーイングは、使用後のトイレに紫外線を照射することで、室内の細菌などを「破裂」させて殺菌・消毒するトイレを開発しています。
Boeing: The Airplane Bathroom That Cleans Itself
http://www.boeing.com/features/2016/03/self-clean-lavatory-03-16.page
このトイレはボーイングのエンジニアチームが共同で開発したもので、紫外線による殺菌のほか、室内のあらゆる場所で手を触れる必要をなくすことで清潔さを実現しようとしています。実際に作動している様子は以下のムービーで確認できます。
ボーイングが製作した新型トイレの様子。ごく普通の航空機用トイレに見えますが次の瞬間……
室内が真っ青に変化。
天井の照明も白い色から……
真っ青に変化
この設備は、ボーイングが開発してきた全自動殺菌機能付き機内トイレのモックアップです。このトイレは、紫外線を照射することで細菌や微生物を最大で99.99%も死滅させることが可能とのこと。
殺菌に用いられるのが、専用のLEDから照射される特殊な紫外線。
トイレ使用後に、室内が無人になったことを感知すると、自動で紫外線が照射され、室内に残る細菌などを死滅させるようになっています。殺菌時にはトイレのフタが自動で開き、殺菌効果を高めます。
便器の周辺だけでなく、室内をくまなく青い光が包みます。ここで使われている紫外線は、「日焼けサロン」などで使われるタイプとは異なる種類の紫外線で、人体には完全に無害。一方、細菌や微生物に対しては非常に高い攻撃性があり、文字どおり細菌などを「破裂」させて全滅に追い込むことができるとのこと。殺菌にかかる時間はわずか3秒だけなので、トイレが使えなくなる事態に陥ることもなさそう。
また、このトイレには紫外線による殺菌機能だけではなく、さまざまな清潔機能が投入されています。
手をかざすだけでフタが開く便器もその一つ。
また、足元のレバーを踏むと……
ゴミ入れのフタが開くようになっているので、手を触れる必要なし。
温風のハンドドライヤーも、手をかざすだけでオンに。
また、手洗い用の水も紫外線で殺菌されているので、清潔さが保たれるというわけです。
この自動殺菌トイレはコンセプトの段階ですが、航空機のインテリアに関するアワード「クリスタル・キャビン・アワード」で2016年度のファイナリストに選ばれており、2016年4月5日にドイツ・ハンブルクで開幕するエアクラフト・インテリア・エキスポの場で発表されることになっています。