比例代表での当選が確実になった自民新人で民間シンクタンク「独立総合研究所」社長、青山繁晴氏(63)は10日夜、大阪市北区の事務所で記者会見。「目的は当選でなく、日本社会をよくすることだ」として万歳三唱を見送り、「6年間腰を据えて、己を捨てて仕事に取り組む」と抱負を語った。
青山氏は午後8時15分ごろ、白いスーツで事務所に入った。事務所内には候補の必勝を願う「為書(ためがき)」と呼ばれる張り紙が1枚もなく、青山氏は「必ず勝たなければならないのは、日本国民と国家だ。命も金も地位もいらぬのが議員。地味な感じでちょうどいい」と持論を展開。集まった約20人の報道陣に対しては「落選会見みたいな雰囲気で申し訳ない」と笑いを誘う場面もあった。
選挙戦を振り返り、「動員もしていないのに、自発的に多くの方が集まってくれた。会ったことのない、(拉致被害者の)横田めぐみさんや、有本恵子さんのことを、わがことのように心配し、考えておられた。有権者の願いと祈りをこれから背負って6年間やるんだなと、万感胸に迫るものがある」としみじみと語った。
議員は1期しか務めないとの考えを改めて示し、「どんな仕事にも納期や締め切りがある。どんなセールスマンにも労働者にも学生、生徒にもある。しかし政治家だけ納期、締め切りがない。これは話が違う。政治家が甘えることないように問題提起したい」と強調した。
テレビやラジオの出演などについては、国会のスケジュールに支障のない範囲で継続したいとした。
青山氏は元共同通信記者で退社後に同研究所を設立。出演したテレビ番組で政治や外交、安全保障など幅広い分野で積極的に発言してきた。今年6月の出馬会見では、安倍晋三首相から電話で出馬を打診されたことを明かし、「日本は既得権益でがんじがらめ。経済も社会も、汚れた政治も変えるためには、僕自身の人生も壊さざるを得ないと考えた」と話していた。