1月1日をスタートする1年の後半が今日スタートしたわけですが
そんな本日、
国税庁から2011年の路線価が発表されました。
全国的に引き続きの下落傾向ですが
この路線価はあくまでその年の1月1日現在の価格として発表されてますから
3月11日の震災前ってことになります。
但し、被災地については臨時特例法で「震災発生直後の価額」をもって
課税客体の評価を行うことができるとされているようです。
今回残念ながら震災に起因して極めて多数の方々が犠牲になっており
それだけ多数の相続が発生することになるわけです。
「震災発生直後」の課税客体の物理的現状を確認することは
おそらく不可能なことが多いだろう。
通常のように一つ一つの申告事案ごとに個別の査定対応をするのも
本来簡単なこっちゃありません。
路線価はあくまでそこの“標準的な”単価なるものを掲示していただいているのですが
物件自体の評価はあくまで個別個別の総額です。
そこに震災の影響ですから現実的にさらに難しい思考と判断を迫られるでしょう。
土地については建物が存在しても更地として査定しますが
大量の汚泥、塩害、液状化被害、放射線のことなど特殊要因も考えられます。
実際に徴税を実施するからには物納のことなど考えたとき
換価価値として相当なる価額がなんぼのものか
現実目線で見るのが適正な対応なんだろうと思います。
相続税を支払う立場からすればその評価額が低い方が助かりますが
被災土地の買い取りや補償を受ける立場からしてみれば可能な限り高い方が助かるでしょう。
最終的には評価を決定する立場にある者の判断に委ねられますが
いつにもまして極めて難しい判断になることは言うまでもありません。
日本国憲法は第30条と第84条で租税法律主義を規定しておりますが
大混乱を回避するためにも立法による対応も検討の余地がありそうに思います。