「地上最強の男 世界ヘビー級チャンピオン
列伝」百田尚樹(新潮文庫)
1800年代後半のジョン・L・サリバンを
1人目に、26人目までのボクシング世界ヘ
ビー級チャンピオンを著すノンフィクション。
著者の作品は、同ジャンルの「「黄金のバン
タム」を破った男」のみ読んでいるが、そち
らが面白かったため迷わず購入。
序章にあるとおり、単なる個々独立の列伝で
はなく、全体を通してモハメド・アリという
一人の王者を意識した大きな流れを持つ。
といっても、そこかしこに名が出てくるよう
なものではなく、最終的に、一つの収斂とし
て向かっていくような構成となっている。
それは、いざ二十一章モハメド・アリに至り
完全に繋がるのであるが、序盤から明確に意
識を持たされている。
序章に予告として読み手に植え付けらた楔は、
進めば進むほど強く深く貫かれ、600頁の
物語はピークとフィナーレを迎える。
フィナーレとは、著者の言及するボクシング
ヘビー級という競技のフィナーレである。
ボクシングという競技の歴史、アメリカとい
う国の歴史、そして、時代を生きる歴代の個
性的な王者たち。
当たり前のことであるが、ボクシングは最初
から現代のルールであったわけではない。
本作は、「地上最強の男」としてヘビー級に
特化しているが、ボクシング100年の歴史
も知ることができる。
黄金のバンダムでもあった、唐突な並行横歴
史解説も健在で、そこは個人的には不要とい
う派である。
が、それも前作と変わらず些細で些末なこと
で、黄金のバンダムと同様に対象への愛情の
にじむ、とても丁寧な作品。
自分は著者ほどモハメド・アリに思い入れは
ないから、ボクシング物ノンフィクションと
して面白かった。
歴史教科書として、著者(1956年生)同
年代だったり、ボクシングカジュアルファン
の方が、おススメだったりするかもしれない。
なお、自分が印象に残ったチャンピオンは、
ボブ・フィッシモンズとフロイド・パターソ
ンの二人。
列伝」百田尚樹(新潮文庫)
1800年代後半のジョン・L・サリバンを
1人目に、26人目までのボクシング世界ヘ
ビー級チャンピオンを著すノンフィクション。
著者の作品は、同ジャンルの「「黄金のバン
タム」を破った男」のみ読んでいるが、そち
らが面白かったため迷わず購入。
序章にあるとおり、単なる個々独立の列伝で
はなく、全体を通してモハメド・アリという
一人の王者を意識した大きな流れを持つ。
といっても、そこかしこに名が出てくるよう
なものではなく、最終的に、一つの収斂とし
て向かっていくような構成となっている。
それは、いざ二十一章モハメド・アリに至り
完全に繋がるのであるが、序盤から明確に意
識を持たされている。
序章に予告として読み手に植え付けらた楔は、
進めば進むほど強く深く貫かれ、600頁の
物語はピークとフィナーレを迎える。
フィナーレとは、著者の言及するボクシング
ヘビー級という競技のフィナーレである。
ボクシングという競技の歴史、アメリカとい
う国の歴史、そして、時代を生きる歴代の個
性的な王者たち。
当たり前のことであるが、ボクシングは最初
から現代のルールであったわけではない。
本作は、「地上最強の男」としてヘビー級に
特化しているが、ボクシング100年の歴史
も知ることができる。
黄金のバンダムでもあった、唐突な並行横歴
史解説も健在で、そこは個人的には不要とい
う派である。
が、それも前作と変わらず些細で些末なこと
で、黄金のバンダムと同様に対象への愛情の
にじむ、とても丁寧な作品。
自分は著者ほどモハメド・アリに思い入れは
ないから、ボクシング物ノンフィクションと
して面白かった。
歴史教科書として、著者(1956年生)同
年代だったり、ボクシングカジュアルファン
の方が、おススメだったりするかもしれない。
なお、自分が印象に残ったチャンピオンは、
ボブ・フィッシモンズとフロイド・パターソ
ンの二人。