薄紙のカバーがかけてある中古本
宮尾登美子 自伝四部作の三作目に位置する「朱夏」
読んだど~!!( ̄Д ̄)ノ
いや~。
読み終えて、大きく息をつく。
満州に渡り、敗戦後帰還するまでの
死と隣り合わせの難民生活。
凄絶です。衝撃です。
人間は生きる為には何でもする。
頼りになる他人など、誰もいない!
お嬢様だった綾子が、最低難民となった心模様。
確か、五木寛之さんも一家で満州に渡り、帰還時にお母さんを亡くされている。その事を途中で思い出していた。
五木寛之さんが何処かで書いてたけど
生きる為に、何でもしたものだけが生き延びて帰ってきた。。と言うこと。
そのままの姿が、この本に克明に書かれている。
平常時の善悪や美醜を超えた
人間が生きるという事の根源の姿に圧倒されて、
今は声も出ないのだ。
今まで私は、人というものを
本当には何にもわかってなかったなあ。
今年は、戦後70年
でも、言いかえれば、この凄絶な話は、たった70年前のこと。。
宮尾登美子さんが、これを書いたことは
本当に凄い偉業だと心から尊敬し、讃える気持ちだ。