末娘がある日ボーイフレンドから、空から町並みを見ようと誘われて、空港へ連れていかれた。小型機のパイロットに挨拶、乗り込んだ。眼下に広がる景色、やがて自宅の近くの空き地へと飛行機が差し掛かると、ボーイフレンドは、「見てご覧、地面になにか書いてある」と娘に言う。すると、そこには白い字で、Sarah E Marry Me? 〔サラE. ボクと結婚してくれる?〕
これは彼の家族が手伝って朝から地主に許可をとり、地面を平にし、そこへ小麦粉で大きく作文したのだった。ボーイフレンドは飛行機の中で娘の手をとり、プロボーズし、娘はイエスと答え、この指輪が娘の左薬指にはめられた。
この日の早朝、彼は話があるので、朝食につきあってください、と連絡してきて、レストランで落ち合い、娘に結婚を申し込みたいが、おとうさんはお許しになりますか?と尋ねた。夫は、娘がどう思っているかによる、と言い、彼は、相思相愛です、と答えた。それなら、反対する気持ちはないし、きっと君は娘の良き伴侶になると思う、と夫は"許可”したのだった。
半年後の結婚式で、彼は涙する娘の母親をハグしながら、「これからは、ボクが彼女を守ります。」と耳元で囁いた。
二人は六年経った今も仲むつまじく、それぞれの目標にまい進している。これも家族の歴史。