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植民地時代のアメリカ人の好物だったスイッチェルはベン・フランクリンも飲用したことだろう。
夏至も過ぎ、七月に入った。すでに華氏100度超えの日々も何日か六月からあり、そういう日は、ここの街中の建物の一角や図書館やらにクーリング・プレイス(納涼センター、とでも訳そうか)を設けて、エアコンディショナーがあっても、通常よりも電気代がかさむのを懸念する年金暮らしのお年寄りや、諸々の事情で避暑に行きたくとも行けない子供たちが涼める場所である。十分に水分を補給し、日向を避けて、子供たちを遊ばせるために高校などのプールも無料、あるいはささやかな入場料を取って開放されている。熱中症あるいは熱卒中と言われる症状は、自覚があまりなくとも重篤な事態を引き起こすので、予防が重要で、涼しく過ごすだけでなく、十分に水分を補給しなければならない。
さて、エア・コンディショナーはもとより、電気などなかった植民地時代のアメリカで暑い夏を乗り越えるのに重宝された飲み物がある。下の写真のSwitchel(スイッチェル)という名前の飲み物は、家庭で簡単に作られるし、またアマゾンなどで商業的に販売されているSwitchel がある。このアメリカ独特の、特に東部ニューイングランド地方特有の飲み物は、廃糖蜜(あるいは蜂蜜)と水で作られ、酢、生姜が加えられた飲み物のことである。 マサーチューセッツ州出身のチャールス・ダドリー・ワーナー(1829-1900)という作家が書いた半自伝的作品、Being a Boy(男の子であること)という回想録には、「昼食は、ルートビア*の瓶とスイッチェルの入った(陶器の口の細い大きめの)水差しと共に大きなバスケットに詰め込まれていた」と書かれている。
*ルートビアはアルコールではない、ソフトドリンクの一種。ルートビアは水、酵母菌とルートビア・エキストラクトと甘味料で家庭でも作られる。酵母菌でなくとも、炭酸水を使用したり、ドライアイスを使用しても作れる。
スイッチェルは、アルコールなしが基本だが、嗜む人はラムを加える。
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市販のスイッチェルはアルコール・フリー。
ご覧のように、オレンジとメイプル風味、ラヴェンダーとレモン風味、そして蜂蜜とシナモン風味などもある。
現代では、スポーツや野外作業などで、発汗によって体内から失われた水分やミネラル(塩分など)を効率的に補給するのを目的としたいわゆるスポーツドリンクがあるが、スイッチェルは、人間の細胞内の浸透圧に差のある仕組みを利用して、体液の調整を行う電解質を含んだまさにオリジナルのスポーツドリンクと言える。真夏の農場で干し草を刈ったり、その他の農作業のために起こる脱水症状を快復させるために、そして熱中症防止のためにスイッチェルは飲用されてきた。
スイッチェルは、簡単に家庭で作ることができる。次に紹介するのは、まず伝統的な昔ながらの作り方から。(参照:老農夫の暦)
- 1 gallon water
- 1 ½ cups molasses
- ⅓ cup apple cider vinegar
- 1 tablespoon freshly grated ginger
- 1ガロン(3.785リットル)の水
- 1 ½カップの廃糖蜜(Molasses)
- 1/3カップのアップル・サイダー・ヴィネガー
- 1テーブルスプーンのおろしショウガ
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1 5"-piece fresh ginger (about 6 ounces)
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½ cup apple cider vinegar
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3 tablespoons pure maple syrup
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1 tablespoon fresh lime or lemon juice
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4 cups water or club soda
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Mint sprigs (for serving)
- ひとかけら(12㎝ほど)のおろしショウガ(150gほど)
- 1/2カップのアップル・サイダー・ヴィネガー
- 3テーブルスプーンの純粋メイプルシロップ
- 1テーブルスプーンの新鮮なライムあるいはレモンジュース
- 4カップの水あるいはクラブソーダ(炭酸水)
- お好みでミントの葉を添える
Brer Rabbit社の廃糖蜜(Molasses)
私が使うのはBragg社のオーガニック・アップル・サイダー・ヴィネガー
そして炭酸水(クラブソーダ)
私個人はスポーツドリンクを好まず、スイッチェルの方が飲みやすい。体調に十分気をつけて暑い夏を乗り越えたい。
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