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Pass It On
古代ギリシャの寓話作家で、奴隷でもあったと言われるイソップは、親切な行為は、どんなに小さくとも、決して無駄にはされない、と言った。どんなに小さくとも、である。
10-15年前、横浜外人墓地に、祖先が埋葬されているかもしれない、というオーストラリア人から、調査をメイルで依頼された。彼女にあらましの状況を訊ねると、1859年横浜港が開港したほとんど直後に来日したスコットランド人の祖先が、横浜の居留地で、ある商会を開いた、と言う。たまたま私は、英国で出版された英国と英国連邦の英人墓地などの埋葬された人々をリストした本を持っていたので、すぐさま調べることができた。そして横浜在住の姉に頼んで、その墓石の写真を撮って送ってもらった。ちなみに横浜有隣堂は、横浜の歴史資料をたくさん出版していて、その中の数冊を所蔵しているので、古地図や外国人商会の説明もあり、そうしたことを即時にオーストラリアへ伝えた。
その依頼者は、結果に大変満足し、特に墓石にある生死月日や商会についての説明はいままで知らなかったので、助かったと喜んだ。この時使った英国で出版された本は、南部英国に住むご婦人から、贈られたもので、彼女もやはり先祖の起こした事業が19世紀半ばの横浜だったので、少し調べたら、大変に喜んでくださったことがあった。その時、ふと代金をお送りしたら、ある本を送ってくだされるか尋ねてみた。その頃は、アマゾンも盛んではなかったし、またその本はごく限定的に英国のある歴史協会が少数部数で出版したものだったのである。彼女は快く引き受けてくださり、即時に探して送ってくださった。そして代金はいらないとおっしゃる。しかたなく代金と等価な私の大学農学部のジャムやナッツ、レーズンなどをたくさん荷造りして、お礼としたのだった。その方の温かいご親切は決して忘れないし、私も機会あれば、そういう親切を他の人々にお渡しすることにしようと決めた。
このように、系図に関して調査すると、いかに他の人々の親切で続けていられるか実感する。イソップは正しい。どんなに小さくとも、無駄になる親切は、少なくとも系図調査の世界ではないのである。次の実話もそのよい例である。
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Pass It On (それを回して)
7月に私の姉とその夫を訪問するのに先駆けて、早春私は二人に贈物を用意しなきゃ、と思いました。その贈物は、二人のルーツに関しての知識がいいのでは、と思いついたのでした。これは特に生後10日目で母親を亡くし、叔父と叔母に育てられた義理の兄には必要かもしれない、と思ったのです。
彼がどの町で生まれたのかは、知っていたので、オンラインで、(系図関係の)掲示板サイト、ウェッブサイト、そしてチャット・ルームなどへ行き、彼の両親のそれぞれの姓について質問し始めました。短期間に、たくさんの答えが返ってきて、とても親切な方は、その町の歴史協会へ赴いて、義兄に関係するだろう記録書類のコピーを取り、送ってくれました。
時が経つにつれて、多くの方々が、私の訊ねた姓について調査していると知り、また調査をしている者を知っているという回答を得ました。六週間の間にー多くの見知らぬ人々の親切のお陰でー私は、200頁以上の義兄の系図書類を得ました!なんというわくわく感だったでしょうか!
私がそのギフトを彼に渡した時、ただ単にできることだったので、お手伝いした、と言う人々の、ひとりひとりを思い浮かべ、義兄の驚いた、喜びの顔をお見せしたいと思いました。
助けてくださった方々にお礼状を出し、どうしたら、私はこの御恩をお返しできますでしょうか、と訊ねたら、おひとりが、このようなメッセージを下さった。「好意は、報酬を得るものではありませんが、お次の方へ回すものです。」 私はこの親切の鎖を続けていく固い決心をしています。
ーナンシー・M.・グッドウィン、デラウェア州
In search of Our Ancestors, by Megan Smolenyak