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かなりの日数をかけてようやく喘息症状は軽くなり、もちろんCovidも陰性になった。それでも子供たちは無理しないで、と私を休ませようとする。私が、あら、もう平気よ、と言っても、「お父さんが承知しないわよ」とばかり。はいはい、それなら、好きなミントティでも入れて、本でも読むわ、とお気に入りの椅子に腰掛ける。
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手元には、ジャンルの全く異なる本二つ。一つは夏からちょこちょこと読んでいるカール・ユングの回想的な本。かたやもう一つは確かアニメイション部門でアカデミー賞受賞した「少年ともぐらと狐と馬」の話。児童書のようだが、私のように年を寄せた元子供も十二分に楽しめる。むしろ4歳の人が読み理解できたら、その人は天才的な感受性の持ち主に違いない。
去年の夏、この本は年長の孫#1にあげた。すると、しっかり理解し、感動し、好きな本だと言った。読んだ時は、まだ8歳だったが、すでにハリーポッターは何冊も読み終えていて、情緒的にも大人びてきた少年である。私の手元にあるのは2冊目で私がもう一度読みたかったものだ。
1979年に購入した私自身欲しかったハンス・クリスチャン・アンダーセンの下の童話集は、いつか結婚して子供が生まれたら是非読んであげたいと思っていた本である。これも孫#1にあげた。かつて若い母親だった私は、5人の子供に毎晩ベッドタイムにこの本を読んで聞かせた。この本はかなり大きくて全集が収められているけれど、もう孫#1には扱えるだろうと、先日渡した。年季の入った本である。
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そして今年この孫は、フェンシングを始めた。私は孫の誰かが剣道をしてくれたらいいと思っていたので、隣街には、日本剣道を御指南なさる日本人がいらして、願わくば、この子は剣道少年になれるかもしれない。ずっと密かに憧れていた剣道に孫が、運動神経ゼロな祖母に代わって、凛々しく精神鍛錬と共に騎士道、武士道を修めてはくれまいか、と希望的観測が過剰にある祖母。尤も御本人は、「スターワーズ」的要素でやっている。
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右側が孫#1。
そんなこんなで2月ももう半ば。来月早々には、スェーデンの次男がやってくる。妻の末弟が、カナダで教会伝道を務めていた時知り合ったアメリカ人と去年暮れに結婚し、出身地のアリゾナ州で彼女の家族親戚友人のために披露宴を行うことになったのだ。それに出席するために、次男があちらの家族代表で単身やってくる。スェーデンでは結婚式も披露宴もすでに済ませている。
次男の妻は、すでにバチェラー学位を持っているが、一昨年から教職に就きたくて、育児と学生業をしていて、学期半ばに授業を休みたくない故、結局次男一人が来米することになった。彼女の両親とて事業があるし、あちら側の披露宴は終えたので、次男にその役が回ってきたのだった。
アリゾナは長男から三男まで出生の地で、ツーソンには伯父夫婦もいる(末っ子の次女だけカリフォルニア生まれ)。伯父夫婦家族も含めて皆再会できることをとても楽しみにしている。ちょうど一年前には子供たち(孫#3と#4)を連れて、2度目は葬儀のために単身でやってきていたが、目的がお別れと葬儀だったので、今度はおめでたいことなのでありがたい。
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ベルギー出張時の次男